「忘年会スルー」という言葉が昨年末に話題になりました。
SNSが発端で、NHKの「ニュースウォッチ9」でも取り上げられ、ワイドショーでも話題になったので、一度くらいは聞いた事があると思います。
今回の新型コロナにより飲み会の自粛を余儀なくされた事とも相まって、「飲みにケーション」という日本独特の慣習について改めて考える良い機会になっているのではないかと思います。
という事で「素朴な疑問を大切にして、論理的に考えてみよう」シリーズ第5弾は、炎上しそうで控えていた「お酒」の話題その1です。
<#忘年会スルー>
さて「忘年会スルー」をググってみると、
・忘年会そのものへのバッシングというよりも、会社の忘年会に半ば強制的に、参加させられるのは納得がいかないと考える人が増えている
・参加したくない人の本音としては、
「会社の人と飲むより友達と飲みたい」
「話がつまらないし合わないので時間の無駄」
「飲み放題にする事が多く、料理の質が低くなり代金はそれなりにかかる」
「気を使うので疲れる」
「上司の話を聞くのが面倒。二次会に連れて行かれる」
というように、「飲みたくもない人と、カネも時間も気も使うのはイヤだ」というもっともな理由。
「参加は任意」と言いながら、全員参加が暗黙のルールとなっていると、半強制的な飲み会は「業務」なんじゃないのか、業務なら残業代は出るのか、と言った論議もあります。
若い世代を中心にした動きが発端ですが、昔から思っていた人は沢山いて、それでもこれまでは表立ってこの話題を出すには「忖度」が必要で、話す相手と状況を踏まえて発言しないと大変でした。
SNSで拡散され世代を超えた共感を得られている事で、やっと声を上げられるようになったのだと思います。
アンケート調査でも、忘年会スルーの現実は「若手が嫌がって、上司が若者を嘆いている」という単純な図式ではないようで、むしろ40代50代の方が忘年会を好んでいないという結果も出ているようです。
>>40~50代の本音
「『上司と飲みに行くのがイヤ』と思っている若い人と、話したいとは思わない。」
「話すことがあるなら、会社で話せばいい」
「社内、社外と何回もあって、2次会まで付き合う事もあり、費用的にも体力的にも負担がつらい」
「年齢が上になると若い人より多く会費を出さないといけないが、実は自分で使えるお金は若手社員より少ない」(住宅ローンや子供の学費で自分の小遣いはわずか。親元から通って残業代もつく独身が一番自由にお金を使える)
<「飲み会」が合わない人が増えてきている>
働き方や価値観が多様化している今のような時代には、「仕事を終えた時間からみんなで一緒に飲みに行く」というやり方には、確実に合わない人が増えています。
ダイバーシティ経営や働き方改革の考え方からすると、次のような人を飲み会に参加させる事は妥当でしょうか?
・ 宗教上の理由や、アレルギー、病気等で、アルコールを飲めない人、体質的に飲めない人(日本人は他の国より多いらしい)
(例えば、肉が食べられない人を焼肉屋に誘いますか?)
・時短や、シフト勤務、育児、家族の介護をしている人、ワークライフバランス・自分の時間(プライベート)を大切にしたい人
(19時からの飲み会に参加させますか?)
・在宅、テレワークの人
(飲み会の為に出社してもらいますか?)
すでに、業務時間中にWeb会議を使ってそれぞれの場所で好きな飲み物を置いてテレ飲み会を行なっている企業もあるようですが、もはやそこまで行くと、「飲み会」という形式にこだわる理由は何なのか、と考えざるを得ません。
<「飲み会」の目的って何なんだろう?>
そもそも「飲み会」の目的って何なんでしょう?
仕事を円滑に進めるため、本音を聞く(お互い腹を割って?)ための「コミュニケーション」の手段、というのがこれまでの定説(?)ではないかと思いますが、この目的には、一言も「酒」は入っていません。「本音で話す為、仕事をちょっと離れた所でのコミュニケーションを取るには『酒』が有効」だと思われていたのだとしても、
・酒を飲めない人にとっては、酔って本音を語る事もない。
(それどころか、シラフで酔っぱらいの相手をするのは苦痛でしかない)
・酒が入ると、きちんとした話は出来なくなる。声がでかくなり、人の話を聞かない。
・コミュニケーションが目的とは思えないし、それが果たされるとも思えない。少人数ならまだしも、大人数の飲み会では、全員と話すわけでもなく、席を代わっていったとしても話せる人と時間は限られる。
…要は、お酒が好きな人がもっともらしい理由を作って飲みたいだけ、では?
または、そういう行事が当たり前で、参加するのも普通だというのが(日本の)「社会人としての常識」のようになっている事に疑問を感じず受け継がれて来た事で、反論が言い辛かっただけなのでは?
仕事のことは忘れて、無礼講だ、楽しもう、と言われることもありますが、上下関係や利害関係があれば、心から楽しめる人ってどの位いるんでしょう?
さらに、飲まない人の立場から考えれば、そもそも飲み会の時間は長い!
(飲めなくても飲み会が好きだと言う人もいますけど…)
2時間で予約しても、大抵は3時間超え。おまけに2次会、3次会ともなると、もはや目的は酒以外の何者でも無いですよね。お酒好きの人は一度、酒を飲まないで参加してみたらどうでしょう?(無理だと思いますが)
・酒なしだったら、同じ席(しかも大抵狭い!)に3時間以上もいるのって辛くないですか? (もはや「会議」ですね)
・飲み放題、というけれど、ソフトドリンクだったらそんなに何杯も飲めますか?(ウーロン茶3杯飲んだらガブガブなんだけど…)
・普通の食事だったら、そこまで時間かけますか?
・おつまみ前提の料理が時間を置いて出てくるけど、酒飲まないと、普通に食べたい。(フレンチのコースならありだと思うけど、お刺身出てきたら一緒にご飯を食べたい)
そもそもコースや飲み放題って、全員がお酒好きで出て来るもの全部好きな場合以外は、無駄じゃないですか?
食品ロスにも繋がるんでは?
以上のような事を考えると、これからは、
・お酒が好きな人は、飲みたい人同士で行けばいい
・楽しめる人は参加すればいい。気の合う人と行けばいい
要は、お酒はあくまでもプライベートな楽しみの一つ
・コミュニケーションは、勤務時間内に、酒を抜きにして別の方法で行えばいい
というのが当たり前になってくるのではないかと思いますが、みなさんはどう考えますか?
そして……ここに来て追い討ちのように「アルコールは少量でも体に悪い」という研究結果が発表されています。
…毎回「長い!」というご指摘もいただいているので、この件は次回に持ち越します。