電気回路は中学受験頻出単元のひとつですが、苦手な子も多いですね。

最近はオームの法則を入試問題の中で登場させてくる中学もありますし、

塾によってははじめから中学で習う電流の考え方に近いやり方で教えているところもあるようです。

ただ、電流がはじめて登場するのは4年生!

一般的な小学4年生に「抵抗=電流の流れにくさ」というマイナスの概念を交えた説明は少し難しいでしょう。

 

ということで、今回は一般的な小学生(4~5年)が電気回路に流れる電流をマスターするための方法を紹介していきます。

もともと自分で編み出した方法なのですが、塾で同じ解法を習った!という子もいるので同じことを考えた先生が他にもいるのかもしれません。

※本(中学受験 書けば解ける!直感の理科)にも載せてありますので、お読みくださった方は一部重複した内容になりますが、新しく書いたので時間があったら読んでいってください。

 

まず直列回路から始めましょう!

乾電池1個豆電球1個をつないだときに流れる電流を1とします。

乾電池を2個直列につなぐと…

カエル「2!」

そうです。

乾電池は電流を流す力を出します。

そしてその力は直列に乾電池を増やすと大きくなるので、乾電池を直列に増やすと電流は大きくなります。

次に、豆電球を2個直列につなぐと…

うさぎ「1/2(0.5)だった気がする」

そうです!

 

うさぎ「豆電球2個だから半分に分かれてるの?

あ!それは違うんです。

よくある間違いとして、乾電池1個から1の電流が出てきてそれが半分になる、というもの…これは×!

 

豆電球はフィラメントの部分が細くなっていて、電流が流れにくくなっています。

これが2個続くともっと流れにくくなって電流が小さくなるのです(抵抗の考え方はこのように導入されます)

そして、豆電球を直列に増やしていくとどんどん流れにくくなるので電流は小さくなっていきます。

また、電流は1本道ならどこでも同じです。

まとめると

電池を直列に増やすと電流が大きくなる

豆電球を直列に増やすと電流が小さくなる

 

電流の値は電池と豆電球の力関係で決まります。

電気は一瞬で先が見通せるので、乾電池から出てくるときから電流の値は決まっている、と考えてもよいでしょう。

 

ここまでで、以下のような回路に流れる電流を求めることができます。

回路1 乾電池2個なので電流は×2

    豆電球2個なので電流は×1/2

    電流は2×1/2=1

回路2 2×1/3=2/3

回路3 3×1/2=3/2

 

 

電流は本当は電池から出てくるわけではありません。

電気の粒が回路全体に散らばっていて、それが電池につながれると一斉に動き出す、というイメージです。

 

次に並列です!

豆電球の並列から行きましょう!

豆電球の並列はお互い関係なく電流が流れる!と考えます。

上図のような回路なら、豆電球Aも豆電球Bも乾電池1個につながれていると考えます。

よって、Aに流れる電流もBに流れる電流も1になります。

そして、そこから電流を流すと、乾電池に流れる電流は2になります。

 

次に乾電池の並列を考えます。

乾電池を並列につないでも、電流を流す力は増えません。

下図のようになります。

そして、乾電池に流れる電流は直前で分かれて1/2になります。

ここで、ラクに解く方法!並列はかくしてしまいましょう!

 

①並列をかくす(豆電球も、乾電池も)

②豆電球に流れる電流をかき込む

③豆電球から電流を流す

 

次のような回路なら

並列になっている豆電球を1個かくすと

乾電池2個、豆電球1個なので

上の豆電球に流れる電流は2

もう一方も同じように豆電球をかくして2

豆電球から電流を流して乾電池に流れる電流は4!

ポイントは豆電球から流すことです!

 

次行ってみましょう!

まず下をかくして1

次に上をかくして1/2(0.5)

豆電球から電流を流し、合流して乾電池のところは1.5

 

乾電池が並列の場合も、並列をかくします

並列になっている乾電池を1個かくして豆電球に流れる電流をかき込みます。1。

※豆電球に流れる電流が分かったので、もう一方の乾電池をかくして考える必要はありません。

豆電球から電流を流すと、乾電池の手前で分かれて乾電池に流れる電流は1/2(0.5)

 

もう1問!

並列になっている乾電池をかくすと、乾電池1個・豆電球2個なので豆電球に流れる電流は1/2(0.5)

ここから電流を流すと、乾電池の手前で電流が分かれて乾電池に流れる電流は1/4(0.25)になります。

 

ラスト!

並列になっている豆電球と乾電池2個をかくして1

もう一方の豆電球も1

合流して2

乾電池の手前で3つに分かれて、乾電池に流れる電流は2/3

ちなみに、乾電池に流れる電流が小さいほど乾電池は長持ちします。

 

これで基本の回路はいけます!

ただ、この考え方は多くの小学生の素の感覚とは少しずれるため、一度できるようになっても忘れることが多いです。

私の経験では、1年の間に3回くらいやると定着するかな、という感じです。

並列をかくして豆電球から!を徹底させましょう!