窓の外は雪景色
今年の初積雪は例年より遅いものの
このまま寝雪になる勢いを感じさせる
こんな寒い朝にインスタントコーヒーを飲んでいると
頭の中に再生されるロバータ・フラッグの「やさしく歌って」
懐かしい某コーヒーのCMソング
ここのところ信じたくないミスばかりしている
古いクレジットカードのつもりが
届いたばかりの新しいのにハサミを入れたり
缶の蓋を閉めないでカバンに入れて
買ったばかりの本がコーヒーに染まったり
割れないように気をつけて持ち帰ったのに
冷蔵棚に入れる直前に卵を落としたり
投函するのを忘れないよう車のダッシュボードに置いたのに
翌日までハガキがそこにあったり
なくさないようにしまったのはいいけれど
そのままスマホが見つからなくなったり
こういうのをしょっちゅう目にする夫がある朝
「大丈夫か?」と心配そうに言った
食べかけのスナック菓子の袋をいつもの引き出しにしまったはずが
ゴミ箱に捨てていたのだ
これはかなりヤバいと思った
しかしそれでも私はこれから夫に弁当を作ってやらねばならなかった
このまま落ち込みっぱなしではいられない
「こういうときは『今日も飛ばしてるねー』って言ってよ」
とっさに返した言葉に我ながら感心
落ち込んでも心配しても状況は変わらないのだから
笑い飛ばしたほうがいい
ただ迷惑が自分にだけはねかえってくる分にはいい
財布を車に置いたままコンビニで買い物してレジの人を待たせたことがあった
あまりのバツの悪さに息を切らせながら
「すみません」と詫びる私に十代かと思しきアルバイトの女の子は
「大丈夫ですよー」と満面の笑顔で応えてくれた
神だ! 天使だ! 心がスーッと軽くなった
奥中山のFマートでのこと
罪悪感もある
反省もしている
でも齢をとって
以前のよういかないということを
学んでいく過程では
どうしてもこのようにミスをおかし
ときにご迷惑をおかけしてしまう
これは人類がみな経験する過程
抗っても避けられない
あなたも私もきっと同じ
だからどうか
「やさしくあきれて」
そう心から願う冬の朝