抜けない日本、抜けないフランス | グローバルに波乱万丈



私はもう、日本食を食べることはめったになく、食べたいと思うこともなく、

(粒あん和菓子は除く。)

お米も月に二、三回食べる程度だし、お箸よりフォーク&ナイフの方が使い易く、

あまり日本人らしくない食生活をしているのですが、

海外で、外国人と30年近く暮らしていても、食べ方は未だに日本が抜けないんですよ。


私のパリ育ちの友達もフランスが抜けず、思い切りフランスの食べ方するんです。

フランスでは、スープ、メイン、サラダ、チーズ... 順番に別々ですが、

日本は、懐石料理やお弁当がいい例で、あれ食べたりこれ食べたりするじゃないですか。

一緒に食事に行く度、食べ方のパターンが違い過ぎな相手を呆れ、からかい合うんです。



二人で夜出かけた時、二人とも小食なので、

グリル海老のサラダとアルゼンチン風ステーキを注文して、シェアすることにしたんです。

ディズニーの観光客でいっぱいの、薄暗い賑やかなレストラン・バーだったので、

私がサラダとステーキを同時に運んでもらうようにお願いしたの、彼女には聞こえていず、

ステーキがサラダの後にすぐ出てきた時、彼女は間違いだとステーキを引いてもらい、

「へ??」 ってことに。



熱い物は熱いうちに、冷たい物は冷たいうちに食べたい、と言うフランス人の彼女。

ステーキだけを食べ続けるのは飽きる、途中で野菜などを食べたい、と言う日本人の私。


ワインでほろっとなっている二人だから、ふざけ口論を始め、


フランスの小学校で、給仕の人に運ばれるコースで順番に食べるレッスンを受けた、と言う彼女。

日本の小学校での給食で、バットに並べられた牛乳、深皿のメイン、浅皿のサイドを、

“三角食べ” するように習った、と言う私。






この前、二夫婦でディズニーのワイン・フェスティバルに出かけ、フランス館で食事をしたんですが、

支配人やシェフが主人の知り合いなので、メニューを見る前から、

エスカルゴだの、フラットブレッドのピザだの、どんどん運ばれてきたんです。


まだ少し残っているそれらのお皿を、ウェイターの男の子が引こうとしたんですが、

彼女をからかう目的で、「置いておいて。」 とお願いし、「メインと一緒に “三角食べ” するの。」 と言うと、

彼女も、ふざけて、お皿を全部私の前に並べ...


くすくす笑う私達ふたりを、ウェイターの男の子はきっと、 

ワイン・フェスティバル開催中に居がちな酔っ払いだと、思ったことでしょう。