ぎりぎりまで、例の姪っ子滞在の件で、10年ぶりくらいの大夫婦喧嘩をしていたのですが、
なんとか仲直りをして出かけた、初めての夫婦二人だけの旅行。
無事に終えて、フロリダに帰ってきました。
出発前、喧嘩中、文句を聞いてもらった親友が、ふと溢したんです。
「うち、まだ夫婦二人だけの旅行したことないけど、ちょっと不安だわ。」
彼女宅も、毎夏、息子さん二人と共に二週間ほどの家族旅行をするのが恒例です。
カリフォルニア州でパイロットをしている長男さん、
夏はオハイオ州で空軍のリサーチに参加する、エンジニアリングの大学院生の次男さん、
今のところ、毎回なんとか都合をつけ、現地で両親と合流し、バケーションしているんですが、
でもそのうち、それも難しくなり、夫婦だけの旅行となるでしょうから、
旦那さんとだけで二週間過ごすこと、不安らしいんです。
うち夫婦同様、ちょくちょく二人だけで週末ビーチ一泊はしているんですが、
うち夫婦同様、性格が真反対で、その上、バサっと物を言う典型的フランス人夫婦ですから。
その時は、彼女の言葉にピンっと来なかったんですが、
「これだわ...」 と、実感してしまいました。
今までは、子供が間にいて、私達はお父さん&お母さんだったわけですが、
今回は、一人の人間&一人の人間、男&女で、
主人は仕事に行くわけでもなく、私は家事で忙しくするわけでもなく、
見知らぬ外国の地で、朝から晩まで顔を突き合わせ、
道を探したり、レストランを決めたり、二人三脚をしないといけなかったわけです。
以前は子供達がいたので、相手の少々気に入らないことでも、
イライラ、ムカッな感情までには至らなかったし、装うことも、堪えることもできましたが、
二人だけですから、周りを気にする必要もなく、思い切りイライラ、ムカッときます。
オーストリアに居る間は、
友達らと、近くの村の村祭りに行ったり...
アルプスの山登りしたり...
コーヒータイムに招待されたり...
(私のオーストリア料理の大好物、
アプリコットが中に入った、クリームチーズとヨーグルトの間みたいなトッフェンで作られたお団子。)
主人は友達らと、お気に入りのバーに生ビールを飲みに行ったり、
私はウィーンの老舗カフェ・ラントマンで、古い友達と彼女の娘さんと待ち合わせ、お茶したり...
いつも誰かと一緒でしたし、慣れた地での行動ですから、問題なかったですが、
チェコでの最後五日間、二十年以上一緒に生活をしてきた主人に、
「一体この人、誰?」 と違和感を感じてしまいました。
ご主人の退職後、こんなふうに感じる奥さん、多いのかも知れませんね。
最終日には、早朝起きて、ジョギングの服に着替え、
「一緒に行く。」 と言う主人に、「ちょっと一人にさせて。」 と、
プラハの街を一人でむしゃくしゃしながら走ってました。
でも、やっぱりこの辺が長年の夫婦だからなのか、
一時間ほどして、私がどの道を通るか知っていたかのように、主人とばったり一緒になり、
早朝のプラハの街角で、 (こう書くとロマンチックですね。)
私は涙を流しながら、気持ちをぶちあけ、ハグしてキスして、仲直りして、
チャールズ橋が見える公園で、朝食ピックニックしましたけどね。
我が夫婦の場合は、結婚した時から長男がいましたから、
これから、お父さん&お母さんではない関係に調節しないといけないな、
と感じた旅行でした。