日本人の子の叱り方 | グローバルに波乱万丈





この街にあるディズニーワールドには、世界中から来ている親子連れが来ているので、

疲れで切れ気味になっている親が、ハイパーになっている子供を叱っている姿、

見かけることがよくあるんです。 









ヨーロッパ人には人前でも派手に雷を落とす親がいて、こちらまでビビってしまいます。

アラビア人のお母さんも、甲高い、大きな声で叱っているので、そりゃあ怖いです。


公共の場で雷を落とす親は、普通のアメリカ人の親には少ないですが、

子供の目線と合うように屈み込み、人差し指が立てていると、

「おっ。 叱られてる。 叱られてる。」 と思って通り過ぎます。


私も、人差し指はよく使い、

人差し指を立て、キっと睨むだけで、息子達を静かにさせることができる、魔法の指でした。 




日本人の親は日本でも、子供を叱る姿はあまり見ないような気がします。


いつか、三、四歳の子が、

私と話をしているお母さんが、自分を相手にしてくれないことが気に入らなかったようで、

お母さんをバシバシ叩き始めたのですが、

そのお母さんは何も言わず、叩かれているので、

ついつい、「お母さんを叩くなんてこと、したらダメじゃないの。」 と私が叱ったことがありました。


体裁を気にして、人前だから子供を叱らないだけなのか、

それとも、最近の日本は、全く子供を叱るということをしない親が増えたのでしょうか。





日本人が少ないのですが、この街で、数回か、

日本人が子供を叱る... と言うより、たしなめるくらいのことですが、見たことがあります。



まず、日本レストランで、ランチ会らしい日本人妻のグループで、子供が騒いでいる一人のお母さんが、

「静かにしないと、おうちに帰るよ。」 と五分置きくらいに言ってました。


お母さん自身が帰りたくなのでしょう、

子供も、帰らされたりなどしないとわかっていたようで、全く無視して騒いでましたけど。


英語でも言いますが、実際に泣く子供の手を引っ張り、公園や店を去るアメリカ人は、

何度か見たことがあります。




それから、昔、近所だった日系人二世の人に連れられて、

同じく日系人二世のその人の友達の家に、ホームパーティに行った時のこと。


70歳前後の日本人のお母さんも来ていらして、日本語でお喋りをしていたんです。

その方の孫達、小学生低学年くらいが、私達のすぐ傍で物の取り合いかなんかをしてて、

その方、"If you don't stop, Grandma don't love you." と言われて、

ひっくり返りそうになったことがありました。


「やめないと、お祖母ちゃん、嫌いになるわよ。」 

な感じのことを、英語に直訳されたのでしょうが、

親からのLOVE、愛情は UNCONDITIONAL (無条件) なことですから、

喧嘩したとか騒いだからと、LOVEされなくなるだなんて、

子供達がショックで、心理的によくないんじゃないかと、反応を心配したんですが、

とてもカタカナな発音をされてましたし、ちょっと文法が間違ってられたので、通じなかったのか、

それとも、いつものことだからなのか、

子供達は、お祖母ちゃんの言うことを全く無視し、ケンカしてました。



こういう叱り方は、日本らしいです。




あと、これは日本でのことですが、

泊まった宿の、ちょっと遊んであげたら、しつこくしてきた幼稚園児くらいの男の子に、

一緒に居た私の母が、

「このオバちゃん、子供の躾に厳しくてね。 言うこと聞かない子、嫌いなのよ。

悪い子してると、怒られるわよ。 怖いわよ。」 と。


いけないことだからしてはないけない、のではなく、

“怒られるから...”、“怖いから...” というのは、アメリカでは聞いたことがない叱り方で、

これもかなりビックリしました。


ビックリもですが、

23歳で渡米し、“オバちゃん” と呼ばれたことがなかったので、

“オバちゃん” 扱いされたこと、それも自分の母親によって、のショックの方が大きかったですが。 (笑)



子供は大人が思うより賢いですからね。

効果がない、意味のない叱り方は、逆に大人をなめる結果となるような気がします。

やっぱり、魔法の人差しですよ。