「最近の若い人達は...」 | グローバルに波乱万丈





先月、エアコンの外のユニットが壊れた時、ネットで検索し、

YOU TUBEにあった問題箇所の調べ方、部品交換の仕方などのビデオを見て、修理しました。


大抵のことは、誰かがビデオを作って、YOU TUBEに載せてくれています。


お客さんが減るとか、ライバルに知識や技術をとられるとか気にせず、

出し惜しみすることなく、プロの人達が修理や設置の仕方を詳しく説明してくれてます。


デッキを建てた時も、バスルームをリモデリングした時も、

電線の引き方、天井板の繋ぎ方、配管の伸ばし方... 随分YOU TUBEにお世話になりました。



ソーシャル・アニマルである人間は、

“自分が知っていることは誰かに教えてあげたい。” というのが心理のようです。





ゲームや映画のキャラクターやシーンのデザイナー/イラストレーターのフリーランスをしている長男は、

正式なアートのレッスンを受けたことはなく、

デジタル・アーチストが載せたYOU TUBEのビデオを観ながら、学びました。



 
デザインは自分じゃないので気に入らないようですが、最近した S2GAMES社 の仕事




革命的な考えの若い世代の、デジタル・アートの世界の人達は、

特にその “自分が知っていることは...” の気持ちが強いようです。




『スターウォーズ III』 などの映画、ソニー社などの人気のゲームのコンセプトを手がけた、

ロサンジェルス出身のフェン・ズーという有名なCGアーチスト、

シンガポールにデジタル・デザインの学校を設立してらっしゃるのですが、

世界の人達が誰でも学べるように、レッスンをYOU TUBEに載せてられます。


息子はそれを観て、技術を磨いてきました。



先週サンフランシスコで開かれた、ビデオゲーム業界者のコンベンションで、

なんと、長男、その憧れの、尊敬の、フェン・ズーさんと会ったんです。









お互いアジア系アメリカ人ということもあったのか、話が合い、コンタクトを交換し、

息子のポートフォリオを見ながら、たくさんのアドバイスをしてもらったのだそうです。



そして、マイクロソフト社のアート・ディレクターである、これまた有名なアーチストを紹介してもらい、

そしてその人も 「紙とペンある?」 と、実演してくださり、

あれこれテクニック伝授してもらい、業界のコネクションを紹介してもらったのだそうです。 




ビデオゲーム、デジタルアートは比較的小さな業界ですし、

経験より才能ですから、何十年やってきた人でも18歳の子に仕事をとられるような世界です。


それでも、惜しむことなく、自分の知識や技術をシェアする心の大きさは、素晴らしいですし、

業界の将来のために次の世代を養成したいという情熱、そして利他的な懸念に感心します。


若い世代の人達は、インターネットで世界に繋がって育ったせいか、

自分はこの世の中の一部でありという感覚が強く、世の中全体に対しての責任を感じるのでしょうか。




最近のアメリカは、そういう傾向が強く、

十年ほど前、私が大学で心理学のクラスを取った頃は、レポートのための情報集めをしたくても、

ネットに載っているリサーチの結果は抜粋だけで、

内容を読むにはメンバーじゃないといけなかったり、お金を払わないといけなかったりしたものですが、

今は大抵のリサーチや情報はオープンで、ライブラリーもアクセスができるようになっています。


人類の未来のためには、知識、情報を分かち合い、皆が頭を寄せ合うべきという考えです。





「最近の若い人達は...」 と批判的に言う人達もいますが、

私は、 「最近の若い人達は、なんと素晴らしいんだろう。」 と口癖のように言っています。

こんな今の世の中の流れ、なんだかいい感じだと思うのです。