マイ・カントリー、裏切り者と呼ばれても | グローバルに波乱万丈






先月、三夫婦で地中海レストランで食事をする機会がありました。


フランス人とイスラエル人、そして、私達夫婦のモロッコ人と日本人。

六人とも皆、三十年前後アメリカ在住で、アメリカ国籍をとっていて、

その二夫婦は、それぞれ会社を経営し、移民国アメリカで成功している人達です。



ちょうどオリンピック中だったので、

ワインのボトルを空け、ほろっとなったところで、

「もし、アメリカの選手と母国の選手が金メダルを競っていたら、どちらを応援する?」

というトピックスをあげてみました。


フランス人の友達とうちの主人は、

「アメリカはたくさん選手がメダルを取るけど、母国の選手はまれだから。」

という理由で、自分の出身国を応援すると答えてましたが、

(モロッコがメダル取るなんて、とってもまれなので、大きく納得。 

基本的に皆、今ではもうアメリカを応援するとのことでした。




私は長い間、アメリカ文化、アメリカ人が好きにはなれず、

息子達が歴史などの話をする時に、

例えば、「アメリカがソビエトと戦争し...」 ではなく、「We (私達) がソビエトと戦争し...」 と言い、

自分達をアメリカ人とみなすことも、なんだか気に喰いませんでした。



でも私は、日本人、アメリカ人である前に、母親です。


アメリカの子供の個性、長所を伸ばす教育システムのおかげで、息子達の夢が叶い、叶いつつあり、

子供の心身を何よりも守ろうとするアメリカ社会のおかげで、二人とも明るく、のびのびと育ち、

今、この国に感謝せずにはいられません。


中高校時代に成績が悪かった長男が、去年、大学院を卒業し、憧れのCGアーチストとなれたことが、

特に私にとって転機となったようです。


渡米して25年、今回のオリンピックで初めて、アメリカの選手を心から応援する自分がいました。




そのことをテーブルで話すと、

大学院生で、企業や軍隊のエンジニア研究員をしている24歳の息子がいるフランス人の友達は、

「そうね。 年の若い息子が、40代、50代の人達に混じって開発を進める機会を与えてもらえ、

対等に、意見や考えに耳を傾けてもらえるだなんて、フランスじゃあ考えられないことだわ。」

と同感し、アメリカへの感謝の気持ちを深めたようでした。




こんな私達を、裏切り者のように思う人もいるのでしょうが、

アメリカのことをぶつぶつ文句言いながら、ここで暮らしている一部の移民者に比べ、

この国を “マイ・カントリー” とやっと思えるようになり、この国を居心地の良く感じれる私達は、

幸せ者なのです。