うちの息子達、小中学校は一学年が六十人弱の、小さなカトリック系の私立に行かせました。
(正確には、長男は中学卒業まで、次男は小学校まで。)
お金持ちの子達もいたけれど、信者学費割引があったので、それほど裕福ではない家庭の子達もいて、
また、ヨーロッパ、アジア、中南米、カリブ海... 父兄はいろんな国からの移民者の人達で、
片親の子もいれば、祖父祖母、叔父叔母と大家族の子もいて、
様々な人種、文化バックグラウンド、家庭環境の生徒達の集まりでした。
今、長男の学年の子達は23、24歳。 大学院に進んでいれば、今年には卒業、就職の年です。
次男は18、19歳。 去年の8月に大学入学している年です。
風の便りで、小中学生時代のクラスメート達、今、どうしているか、耳に入ります。
医者の卵になっている子達。 エンジニアになっている子達。
前科もちになってる子。
大学を挫折しユニバーサルスタジオで働いている子。 映画館でポップコーンを売ってる子。
目標がなく、だらだら学生を続けている子達。
名門校で優等生をしている子達。
学生時代に妊娠し母になっている子達。
軍隊に入った子...
私は、その学校で一時期教えてましたし、カフェテリアでボランティアをしてましたし、
サッカーチームのチームママだったこともありますし、
週末や休みに入れば、学校の友達を引き連れて、映画やボーリング、ディズニーに行き、
プールパーティーやお泊り会を開いてましたし、
クラスメートや同じ学校に行くその子達の兄弟のこと、よく知っていました。
スクールバスはなく、車で送り迎えをしないといけない学校で、
放課後の駐車場はお母さん達の井戸端会議場化し、お母さん達とも仲良しでしたので、
親がどんな人達なのかもよく知っていました。
アメリカの子達は大人ともちゃんと会話しますから、皆、私ともよくお喋りをしてくれましたし、
息子達もいつも学校での出来事を話してくれましたので、
それぞれの子の性格、成績、学校での様子、家庭の様子... 身近に理解していました。
小中学生の頃は、皆、それほど差がなく、それぞれ夢があり、それぞれ可能性を秘めていて、
親は皆、それぞれ子育てに励み、それそれ子供への期待があったのだけど、
その後、経路が少しずつ変わっていき、
立派になっている子、そうでない子。 幸せになっている子、そうでない子。
科学系で心理学をかじった私は、ついつい癖で、
それぞれの子供、親、家庭環境、親の子供への接し方を思い返しては、
経過、結果を分析し、原因を考えてみます。
あれが良かったのだ、悪かったのだと、思い当たることがいろいろありますが、
分析の結論として、一つ言えるのは、
人種、文化、貧富、家族のサイズ、親の職業、そして、小学時代の性格、人気度、成績の良し悪しは、
その後の子供の成功度には大して関係してはいず、
最も影響した要素は、
親の心理状態が安定していて、子供に愛情を示し、ゆったり見守ってやる心の余裕があるかないか、
ということです。
両方の親が揃っていても夫婦が仲が悪い家庭の子より、親が離婚し家庭に緊迫感がない片親の子。
仕事で忙しいお金持ち親の子よりも、貧乏でも子供のために過ごす時間がある親の子。
社交、自分のことで忙しいキレイにしてる親よりも、子供のために生きている様子な地味な親の子...
そんな子達が今、立派になり、幸せになり、頑張っている話が入ります。
皆、無邪気で可愛かったあの子供達、あまりにも人生の差が出ていることに、複雑な気持ちです。
そしてまた、親が幸せでいて人生に充実していることが、子供の成長にとってどれだけ大切なのか、
改めて実感しています。