私の住むこの街は、外国からの移住者でいっぱいです。
すぐ近くにディズニー・ワールドがあり、その中にはフランス、イタリア、中国、メキシコ...と11ヶ国のパビリオンがある大きなテーマ・パークがあるし、インターナショナル・インターンシップはやってるし、それに街にはアメリカで二番目に大きな大学があり、たくさん留学生が来ているし、気候がいいのでここに別荘がある外国人も多いのです。
皆、故郷から離れ、近くに家族もいないので、外国人同士で仲良くしています。 移住者夫婦のうちのホームパーティに来る連中も、国籍、人種さまざまで、その光景はまるでサミットの二次会かなんかのよう。
習慣や考え方の違う、いろんな文化の人達と一緒に何かをしようとすると、なかなか大変なところもあります。 例えば、時間の感覚の違い。 パーティ開始時間をみんなに伝えても、まちまちにやって来ます。 料理の都合に困ってしまうのです。
日本人は“時間にうるさい”ということは世界ではかなり知られていることなので、遅れてきた者は私に言い訳をします。
「いやー、ヤヤを怒らせてゴジラになられちゃ怖いから、ちゃんと時間通りに来ようという努力はしたんだけど...やっぱり遅れちゃった。 えへへ。」
日本と言えば“ゴジラ”らしい。
そんな連中にはご期待通りにゴジラになって放射熱線を吹き出してやるのですが、やっぱり毎回遅れて来ます。
そこで対策を考えました。 それぞれに違うパーティ開始時間を連絡するのです。
「えっと、パーティ開始は7時... フランス人とオーストリア人の友人には開始時間7時のままでいいか。」
「モロッコ人とカリブ海人は2時間早く“5時開始”と言っとけば、まあ、7時半くらいには来るだろう。」
「あと、1時間早く伝えておいた方がいいのは... ベトナム人とコロンビア人とフィリピン人とインド人の友人...」
「あと、ブラジル人とインドネシア人とギリシャ人とエジプト人...」
「あれぇ?? 世界では時間に厳格な人の方が少ないの? マイノリティー?? もしかしたら、5分、10分のことにわーわー言う私達、日本人の方が変わっているのぉ?!」
考えたのです。 どちらがマジョリティーなのか、マイノリティーなのか、正しいのか、間違っているのか... そういう問題よりも、自分達には“そうあるべきこと“だからって、他の国の人達にそれを要求するのは間違っているのかも知れないということです。
日本で当たり前のことが、他の国では当たり前ではないかもしれないし、逆に日本でなんとなくやっていることが、他の国では非常識なことであるかも知れません。
世界でいろんな国の人達と上手くやっていけるグローバルな人間であるには、文化の違いというものをさらりとこなせる、OPEN-MINDNESS(寛容さ)とFLEXIBILTY(順応性)が必要ってことのように思うのです。
今度のパーティに遅れてくる連中がいても、放射熱線を吹き出すのは止めておくことにします。