意見を!フジテレビ「警視庁いきもの係」 遺伝病をかかえるスコティッシュフォールドを使用 | めー子のブログ

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どうぶつまるごと。

写真:https://www.min-petlife.com/53578

 

アニマルライツセンターより

フジテレビ「警視庁いきもの係」 遺伝病をかかえるスコティッシュフォールドを使用

http://www.bethevoiceforanimals.com/cat/detail/id=75

2017年7月9日からはじまったフジテレビの新番組『警視庁いきもの係』では、スコティッシュフォールドがレギュラー出演している。

耳が前に垂れ下がっていることが特徴的な猫だ。
見た目の「愛らしさ」からブリーディング(繁殖)が行われ、日本では100,000~300,000円で販売されている。

 

スコティッシュフォールドの抱える遺伝病

1961年にこのタレ耳猫の「愛らしさ」に目を付けられ、繁殖登録が開始されたが、GCCF(イギリスの血統猫の登録機関:Governing Council of the Cat Fancy)は1970年代初めにスコティッシュフォールドの登録を禁止するにいたった。

理由は遺伝病だ。

そもそも耳が折れ曲がっているのは、軟骨が正常でないからであり、その「特徴」は全身に影響を及ぼす。

スコティッシュフォールドが遺伝的にかかえる「骨軟骨異形成症」を発症すると、あらゆる軟骨に瘤を作らせ、四肢を腫れ上がらせ、潰瘍を作らせる。発症したスコティッシュフォールドは抱きかかえると嫌がることもあるそうだ。体中が痛むからだ。

 

UFAW(動物福祉大学連盟:The Universities Federation for Animal Welfare)によると、この病気の治療法はないそうだ。

■耳折れのすべての猫は骨軟骨異形成症をもち、両親とも耳折れの場合産まれてから早い段階で関節炎を発現させ、片親のみが耳折れだった場合はそれよりも関節炎がゆっくり進行する傾向がある。

■この病気の猫は、短く広い手足、柔軟性のない尾が著しく変形するかもしれない。彼らは、跛行、関節の腫れを示して歩行異常を持ち、ジャンプにも消極的だ。重症になると歩くことができなくなる。

■両親が折れ耳の場合は、激しい痛みを伴う体の変形と壊滅的な関節疾患を引き起こす。この場合、生涯の早い段階で安楽殺されることが多い。片親だけが折れ耳の場合は症状が穏やかな場合もあるが、やはり痛みや傷害を伴う重大な関節疾患を伴うこともある。

(引用:UFAW Genetic Welfare Problems of Companion Animals

 

唯一の問題の解決方法は「繁殖の停止」

■UFAWのサイトには「この問題に終止符を打つ方法は、耳折れ猫との繁殖を停止させることだ」と書かれている。

■オーストラリアのビクトリア州では「疾患を引き起こす遺伝欠陥を有する動物の繁殖のための行動規範」(Code of Practice for the Breeding of Animals with Heritable Defects that Cause Disease)のなかで事実上スコティッシュフォールドの繁殖は禁止されている。

■スコットランド政府は、スコティッシュフォールドの繁殖禁止を検討しているという*。

■片親だけスコティッシュフォールドではない猫にしても意味がない。どのような組み合わせにしてみても、折れ耳の猫は遺伝病を保有することになるからだ。
英国獣医師会(BVA)のMs Ravetz氏次のように言う。
「この折りたたまれた耳の外観を持つすべての猫は、遺伝的変異を持つことになります。」
「彼らは病気の進行速度が異なる可能性がありますが、不治の痛みと病気を持っています。我々は、これらの問題を持つペットを繁殖するべきではありません。」

朝日新聞のWeb「Sippo」(2017.7.24)にはスコティッシュフォールドの繁殖は動物愛護法違反だと掲載されている。
動物愛護法では「動物取扱業者が遵守(じゅんしゅ)すべき動物の管理の方法等の細目」が定められている。細目の第5条第3項のイにはこうある。
「販売業者は(中略)遺伝性疾患等の問題を生じさせるおそれのある組合せによって繁殖をさせないこと」
 

見た目を追求した選択的繁殖で苦しむ動物たち

かわいらしいやカッコいい、見た目が特徴的なペットを作り出すために行われる、選択的繁殖は動物を苦しめる。スコティッシュフォールドが良い例だが、猫よりもっと、選択的なブリーディング、近親交配が行われている犬では何百種類もの遺伝病が確認されている。たとえばキャバリアは、脳の大きさが頭蓋骨より大きくなる遺伝病を抱えており、安楽死せざるを得ない飼い主もいるそうだ。その痛みは想像に余りある。

 

フジテレビ「警視庁いきもの係」へ意見を

この番組を見て、スコティッシュフォールドの人気があがり、買い求める消費者が増えるのではないかということを危惧する。売れれば繁殖され、産まれたことで苦しむ動物を増やしていくことになる。

インターネットでざっと検索するだけでもスコティッシュフォールドの問題はたくさんヒットする。おそらくこの番組制作サイドは遺伝病の問題を知らなかったのであろう。しかし生きた動物を娯楽に使用するならばもっと慎重にあるべきだ。そもそも娯楽のために動物を利用しても良いのかという議論もおこなわれるべきだろう。

 

「警視庁いきもの係」第3話ではヘビが出てくる。番組で登場するヘビは体を伸ばすこともできない狭いケースに閉じ込められているが、主人公はヘビがペットに向いているという。「大きな蛇でもそれほど場所を取らないし散歩の必要もないし鳴き声も立てない」からだというのだ。

しかし動物行動学的には「蛇は自分の体の長さより短い幅の檻の中では真っ直ぐに伸びる姿勢をとることができない。直線姿勢は腸の不快感を取るために必要な姿勢」なのである。長い蛇にそれだけのスペースを与えることは一般の家庭では容易なことではないだろう。安易に動物を利用し過ぎているのではないかという感が否めない。

アニマルライツセンターは、スコティッシュフォールドの番組に使用することの社会的問題、そして安易に動物を使用することの問題について番組に意見を提出した。

皆さんからも意見を届けてほしい。

 

【意見先】

フジテレビ視聴者相談センター https://wwws.fujitv.co.jp/safe/contact/

警視庁いきもの係公式ツイッター https://twitter.com/mpd_ikimono

警視庁いきもの係への意見 http://www.fujitv.co.jp/ikimono/message/

 

 

 

折れ耳で人気の猫「スコティッシュ」 繁殖は動愛法に抵触(sippo)

- Yahoo!ニュース 7/24(月) 11:20配信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170724-00010000-sippo-life

猫ブームの影響で、純血種の猫をペットショップで買う消費行動が浸透してきた。大手ペット店チェーンでは前年比2割増のペースで猫の販売数を増やしている。

そんななかで絶大な人気を誇っているのがスコティッシュフォールドだ。アニコム損害保険の調査では、2017年まで9年連続で人気1位の猫種となっている。だがこの猫の販売は、動物愛護法に抵触している可能性が高い。猫種名の由来であり、人気の理由にもなっている「折れ(fold)耳」が問題だ。

 実は折れ耳は、骨軟骨形成不全症の症状のひとつ。症状に程度の差はあるが、四肢に骨瘤(りゅう)ができて脚を引きずって歩くようになるなどし、鈍痛に苦しみ続ける、根治困難な病気だ。

 この病気は優性遺伝する遺伝性疾患。つまり、折れ耳同士で繁殖すれば75%以上の確率で折れ耳の子猫が生まれ、折れ耳と立ち耳を繁殖した場合でも50%以上の確率で折れ耳が生まれる。これをペット店の店頭で売られている「折れ耳の子猫」の側から見ると、両親または片親は必ず折れ耳だということになる。

 動物愛護法では「動物取扱業者が遵守(じゅんしゅ)すべき動物の管理の方法等の細目」が定められている。細目の第5条第3項のイにはこうある。

「販売業者は(中略)遺伝性疾患等の問題を生じさせるおそれのある組合せによって繁殖をさせないこと」

 遺伝性疾患が出ることがわかっていて繁殖させる行為は「細目に抵触する」(環境省)わけだ。細目に違反した場合、自治体は業者に対して状況を改善するよう勧告、命令することができる(動愛法第23条第1項及び第3項)。命令に従わない業者には100万円以下の罰金が科される(同第46条第4項)。つまり動愛法に照らせば、折れ耳のスコティッシュフォールドは繁殖が禁じられているはずなのだ。

 獣医学の見地からも、鹿児島大学の大和修教授(獣医臨床遺伝学)は「発症した猫は、四肢や体に生涯ずっと痛みがある。そのような猫種は作らない選択をすべきだ」と指摘する。消費者保護の観点からも、「診療費の負担などを考えれば消費者にとっていいことではない」(環境省)。

 ところが全国のペット店の店頭で平然と、折れ耳のスコティッシュフォールドは売られている。ペット店の経営者らは、その繁殖が動愛法に抵触していることを認識し、一刻も早く仕入れ、販売をやめるべきだろう。

 繁殖業者やペット店などを監視・指導する自治体がこの状態を放置していることも問題だ。店頭に折れ耳のスコティッシュフォールドがいれば、自治体はその仕入れ先を確認し、繁殖業者に対して改善を勧告、命令しなければならないはず。その繁殖業者が命令に従わなければ当然、100万円以下の罰金だ。

 消費者もよく考える必要がある。「人気の折れ耳」に飛びつくから、業者は繁殖する。もちろん、人気をあおるマスメディアの罪も重い。

 子犬、子猫の段階で症状があらわれる遺伝性疾患はほかにもいくつかある。そうでなくても、検査方法が確立されている遺伝性疾患は、繁殖段階で発生を抑えることができるものだ。業者、行政、消費者、メディアが一体となって、この事態を解決していく必要がある。

(太田匡彦)

sippo(朝日新聞社)

 

~転載終了~