『ロスト・キング 500年越しの運命』
【原題】The Lost King
【製作年】2022年【製作国】イギリス
【監督】スティーブン・フリアーズ
【主なキャスト】サリー・ホーキンス、 スティーブ・クーガン、 ハリー・ロイド、 マーク・アディ
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240401/15/yatto-cosa/64/46/j/o0566078115420143777.jpg?caw=800)
500年にわたり行方不明だった、リチャード三世の遺骨発見の、立役者となった女性の物語。
公開中は、都合がつかなかったのですが、配信で観ることができました。
主人公は、2人の息子がいる働く主婦。
何の権威もない、アマチュアの彼女が、数々の苦難に負けず、信念を貫く姿に、パワーをもらいます。
イギリスの古い建物や自然も素敵。
特に、レスターへ向かう車窓からの風景が美しかったです。
あらすじは…。
フィリッパ・ラングレーは、職場で上司から理不尽な評価を受けますが、
別居中の夫からは、生活費のため仕事を続けるように言われてしまいます。
ある日、息子の付き添いで、シェイクスピア劇『リチャード三世』を鑑賞した彼女は、
悪名高きリチャード三世も、実際は自分と同じように、不当に扱われてきたのではないかと考え、歴史研究にのめり込むようになりますが…。
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少々ネタバレあります。
いやはや歴史オタクのパワーよ!!
個性派揃いの、あの “リチャード三世協会” もですが、
”リチャードを探して“ と題した、クラウドファンディングに賛同した、多くの人たち。アツイです。
自己弁護できない、歴史上の人物。
通説通りかどうか?なんて、本当のところ誰もわからない。
彼らの話を聞いて、藤原道兼に思いを馳せた私。
放送中の大河ドラマ『光る君へ』では、汚れ仕事させられがちだった道兼。
昨夜、病で退場となりましたが、不憫でございました
それはさておき、今作は、キャスティングが、とても良かったと思います。
◆フィリッパを演じるのは、華奢なサリー・ホーキンス。
“エプロンの似合う大女優” と勝手に思っておりまして、彼女が演じることで、
普通の主婦が、大発見することに説得力をもたせていたと思います。
筋痛性脳脊髄炎と診断されてからも、仕事を頑張ってきたのに、認められず。
家庭生活も、ギクシャクしているフィリッパ。
リチャード三世の遺骨を探すことが、生きがいになっていたのでしょうか?
書物を読み漁り、自分の足で調べ続ける。 世間からはオカシクなったのか?と思われても、情熱を傾けます。
冷ややかだった家族が、協力的になったのも、彼女の頑張りをみていたからでしょうし、
王の幻影が現れるのは、彼女への応援だったのかもしれません。
◆フィリッパの前に何度も現れる、リチャード三世 (の幻影) 。
演じるのは、チャールズ・ディケンズの子孫でもある、ハリー・ロイド。
『博士と彼女のセオリー』での、ホーキングの友人役も印象的でしたが、
気品があり、“王冠に白馬” 姿が、なんともカッコいい
フィリッパに話しかける声も、微笑みも、優しかったです。
元気をもらえる物語でしたが、残念な人たちも出てきました。 (全部が事実かどうかは、わかりませんが…)
発掘に辿り着くまでも、資金集めにしても、フィリッパの執念があったからなのに…
大学の権威を振りかざし、手柄を横取りした あの大学、許すまじ となりました。
でも、こうして映画になり、フィリッパの功績が世界中の人たちの知るところとなったのは、喜ばしい。
あの大学の広報担当者は、歯ぎしりしているかもしれませんが