『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』

【原題】My Salinger Year

【製作年】2020年

【製作国】アイルランド、 カナダ合作

【監督】フィリップ・ファラルドー

【主なキャスト】マーガレット・クアリー、 シガニー・ウィーバー、 ダグラス・ブース、 サーナ・カーズレイク、 ブライアン・F・オバーン、 コルム・フィオール、  ヤニック・トゥルースデール、 ハムザ・ハック、 レニ・パーカー、   ティム・ポスト、 ギャビン・ドレア、 マット・ホランド




駆け出しの若い女性が、怖そうな女性上司に、ビシバシ鍛えられる。 
設定は『プラダを着た悪魔』のようですが… 出版業界の話なので、躍動感はなく、静かに時が流れます。

盛り上がりにかけるのは確かですが、
業界の内実が垣間見られたのと、90年代の、ニューヨークの再現具合いがGood。



きちんとした衣装が多めだけど、どれも素敵で、そちらも楽しめました。

主人公の、クラシカルなブラウスやワンピースも可愛いですし、
上司役のシガニー・ウィーバーの、スカーフ使いがカッコ良かったですウインク



(存じ上げなかったのですが) ジョアンナ・ラコフの、『サリンジャーと過ごした日々』が原作だそうで、彼女自身の体験を元にしているとか。


映画『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』を観たことがあり、
サリンジャーって気難しい人、というイメージだったのですが…

今作では、作家志望の主人公を後押しする、優しさをみせてくれます。
『朝の15分でもいいから、毎日何か書くんだよ』と。

姿は、柱ごしにしか見られませんでしたが、ホントは、こんな感じの人なのかも? なんだか、ほっこりしました。


にしても!! 光栄にも、大作家と電話で何度も会話できているのに、
彼の本を読もうともしないのは、相当だと思うよ、ジョアンナさん口笛


さて、あらすじは…。

90年代のニューヨーク。
作家を夢見るジョアンナは、老舗出版エージェンシーで、

J・D・サリンジャー担当のマーガレットの、編集アシスタントとして働き始めます。

彼女の業務は、世界中から大量に届く、サリンジャーへのファンレターの対応処理。
何パターンかある定形文の中から、合うものを選び、返事を送るのが仕事でしたが…。


     ✢ ✢ ✢ ✢ ✢


ネタバレあります。







出版エージェンシーとは、著者の代理人として、出版社へ企画を持ち込んだり、著作権の管理の代行などをする仕事だそうで。


そこで働くことになったジョアンナは、世間知らずで、かなり “甘ちゃん” でした。(胸に手を当てると、自分も人のこと言えないけれど爆笑)

アシスタントとはいえ、デスクは離れているから、周りに気を遣わなくていい。電話は、たまにしかかかってこない。
厳しいといっても、上司は怒鳴るわけではないし、先輩たちはクセ強めだけど、優しいし。
いい職場やん。 (隣の芝生は青い口笛)


でも… 作家志望の彼女は、自分の言葉で返事が書きたい。 それに、こんな簡単な仕事、なんで私が? と、不満なようです。

気持ちは分からないでもないけれど、割り切って、チャチャッと仕事して、
帰ってから、好きなだけ詩や小説を書けばいいんとちゃうの?
外野は、そう思うけれど。

 
恋愛の方も、なんやかんやあって口笛
今は、新しい彼氏と同棲中だけど、故郷に住む元カレに、サヨナラを言ってないなんて。


というように、主人公が、何かに必死になる姿は描かれておらずショボーン
彼女の自分探しの旅は、まだまだ続きそうです。
(詩人 兼 作家になったのですから、その後、頑張ったのでしょうが)


まあ、存在感と貫禄ある、シガニー・ウィーバーが観られたので、良しとしましょうウインク