『星の旅人たち』
【原題】The Way
【製作年】2020年
【製作国】アメリカ、スペイン合作
【監督】エミリオ・エステベス
【主なキャスト】マーティン・シーン、 エミリオ・エステベス、 デボラ・カーラ・アンガー、 ヨリック・バン・バーヘニンゲン、 ジェームズ・ネスビット、 チェッキー・カリョ、 レネ・エステべス
素敵なジャケットに惹かれて、観ることにしました。 ロード・ムービー、大好きです。
山々の間から見られる夕日、黄金色の道、時々出くわす街並みの美しさ。
これは、スクリーンで観たかったな。
監督したエミリオ・エステベスと、主演のマーティン・シーン。
なんやかんやあったらしい?実の息子と父親が、こうしてタッグを組むのも珍しいし、妹さんも出てきてビックリ。
“祖父に捧ぐ” というのは、家族のルーツ スペインも描いているからでしょうか。 なんかいいな。
それにしても、父と息子が並ぶと、これは合成なのか?と、思うほど似ていて、ドキッとさせられました。
あらすじは…。
アメリカ人の眼科医トム (マーティン・シーン) は、ひとり息子のダニエル (エミリオ・エステベス) が、
スペイン北部『サンディアゴ・デ・コンポーラ』を巡る旅の途上で、不慮の死を遂げたとの報せを受けます。
妻の死後、疎遠になっていた息子。
トムは、亡き息子の足跡を辿ることにします。
✢ ✢ ✢ ✢ ✢
少々ネタバレあります。
旅の途中で、何人かの人たちと出会いますが…
深く結びついたり、それぞれに劇的変化があるわけではなく。ずっと、程よい距離感があって、それが好ましかった。
見ず知らずの人と、その時だけの関係だからこそ… というのが、私はいいなと思いました。
いろんな目的で、いろんな国からやって来た旅人たち。
痩せたいという目的で巡礼にやって来た?(そんなん、どこでもできると思うけれど) オランダ人。
ちょっとウザいけれど、憎めない男性。 パクパク何でも美味しそうに食べているのには笑います。
元夫のDVから離婚し、離れて暮らす娘を想うカナダ人女性。
禁煙したいとずっと言っているけれど… たぶんムリ。
一昔前?の “いいオンナ” って感じがしないでもないですが、カッコいい
アイルランドからやって来た、自称 “書けなくなった作家”
この旅で、何かを書きたいと思っているようですが… 何でもかんでもメモしないと覚えられへんのか、キミは
そんな個性的なメンバーと巡礼することになったトム。
別に誘われたわけでも、誘ったわけでもなく、なんとなく一緒に歩きます。
何故、直ぐに帰らず、父は歩くことにしたのでしょう。
ゴールできなかった息子の代わり?
それとも… 息子が、何を思ってここに来たのかを知るために、歩くのでしょうか?
結局、それは、わからなかったのかもしれませんが…
一歩一歩進むことで、自分の息子への気持ちを確かめているように感じました。
父親の思い描く “理想の息子” ではなかったかもしれませんが…
『人は人生を選べない。生きるだけ』
巡礼に出かける前の、息子の言葉が思い出され、グッときました。
なんと、800キロもある巡礼の旅。
あそこを歩けば、怠惰な自分も、少しは変わることができるかな?
あの素敵な風景も、是非見てみたいとは思うけれど…
こんな旅ができるのは、それなりに経済的余裕があって、時間も体力もある人たちなのでしょう。
とても行けそうにない私は、これからも映画を観て、いろんな場所に行った気分にさせてもらいたいと思うのでした