『異人たちとの夏』

【製作年】1988年

【監督】大林宣彦

【主なキャスト】風間杜夫、 秋吉久美子、 片岡鶴太郎、 永島敏行、 名取裕子、 入江若葉、 林泰文、 奥村公延、 角替和枝、 原一平、 桂米丸、 柳家さん吉、 笹野高史、 ベンガル




アンドリュー・ヘイ監督の『異人たち』を観る予定なので、その前に、こちらを観ることにしました。

山田太一さんが書かれた、小説の映画化だそうですが、原作は読んでおりません。


寄席や、夜の花やしき、手焼き煎餅、風鈴… 昔の浅草の雰囲気が、とてもいい。 ノスタルジックな気持ちにさせてくれますウインク


が… 終盤 興ざめしてしまいました。 
すみません。 粗いCGや、過剰な “やつれメイク” が、どうしても気になってしまうのです。
当時の技術では仕方がないのでしょうし、怪談チックで、好きだという方も多いのかもしれませんが。


ここでの異人とは『あの世の住人』のこと。
それを指すのが、父と母だけだったら… きっと大好きな映画になったのにショボーン


あらすじは…。

離婚し、今は一人暮らしの、シナリオライター原田英雄。

ある夏、幼い頃暮らしていた浅草で、
12歳の時に死別した、若い父母にそっくりな 2人に出会います。

子どもの頃に戻ったような、懐かしい気持ちになり、彼らの元に通うようになる英雄。

彼はまた、同じマンションに住む、ケイという女性とも出会い、愛し合うようになりますが、

英雄の身体は、次第に衰弱していき…。


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少々ネタバレあります。






◆英雄が再会?した、服を脱ぎがち、脱がせがちな、父さん、母さん。

いつも下駄を履いている、寿司職人。いなせな片岡鶴太郎さん。

あんなにノースリーブワンピが似合うのに、ラジコン好き。艶っぽさと可愛さが同居する秋吉久美子さん。 
2人とも素敵ですウインク

仲がよくて、微笑ましくて、笑顔にさせられます。
意外にも? お似合いでした。


◆2人といると、すっかり子どもに戻る英雄。いつもはムッツリしているのに、ケラケラよく笑う。
演じるのは風間杜夫さん。こんなに可愛い人だったんだ。 (すみません。邦画をあまり観ないので)

英雄は、心の奥底で、ずっと父母を求めていたのでしょうか。
『父さん』『母さん』と嬉しそうに呼ぶ姿が、切ないショボーン


◆名取裕子さん演じる、謎の美女ケイ。 
夜中に突然チャイム鳴らされたら、誰でも英雄のような態度になりますがな。

何かある、何かある。 冷静に考えたら、あんな風にはならないだろうけど。
どうかしてたんだね、英雄えーん



何も考えず、“ふと” ある方向に行ってしまうことってありますが… 
英雄の足が浅草に向いたのは、この 
“ふと” だったのでしょうか。
それとも、知らず知らずのうちに、死神が忍び寄っていたのか?


寄席で、見知らぬ男性の声を耳にし…
アレ?となり、後ろから見てエッ?となり、思わず近づき、横顔で確信する。

その間、舞台は落語からマジックに変わっているのですが、英雄が父親を感じた、このシーンが感慨深かったです。
親子ってそういうものかと。



そして… これはファンタジー、と自分に言い聞かせつつも…

食いしん坊の私は、折角のすき焼きが、ちゃんと食べられなかったのが、気になって仕方ないのでした爆笑