『パリタクシー』
【原題】Une belle course
【製作年】2022年【製作国】フランス
【監督】クリスチャン・カリオン
【主なキャスト】リーヌ・ヌノー、 ダニー・ブーン、 アリス・イザーズ、 ジェレミー・ラユルト、 グウェンドリーヌ・アモン、 ジュリー・デラルム、 トマ・アルダン、 アドリエル・ルール
昨年の公開時には、都合がつかず。
配信で観ることにしました。
どん底の時に、思わぬ出会いが…。
ベタだけど、こういう物語は、あったかくなります。
人生の先輩のお話が、沁みました。
そして、タクシーで巡る、パリの街も素敵で、空を見せてくれるカメラワークも好みでした
あらすじは…。
タクシー運転手シャルルは、お金も休みもなく、免停寸前で、人生最大の危機に陥っていました。
そんな折、彼は、92歳の女性 マドレーヌをパリの反対側まで送ることになります。
終活に向かうというマドレーヌは、シャルルに次々と寄り道を依頼します。
彼女が人生を過ごしたパリの街には、多くの秘密が隠されており、寄り道するたびに、彼女の意外な過去が明らかになり…。
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少々ネタバレあります。
シャルルが乗せたお客様 マドレーヌの、喋ること喋ること
長年、関西に住んでおりますゆえ、こういうオバサマに免疫ある? 私も、最初は彼と同じ気持ちに。
定番の『私、何歳にみえる?』( 絶対、若くみえる自信がある ) に始まり、
『ハチミツとオレンジの味』だという、70年以上も前の、ファーストキスの話をし始めますが、そんなん、知らんがな
運転中なんだから、もう少し、静かにしていただけないでしょうか。
と思いますよ。そりゃあ。
でも次第に、彼女の話に耳が全集中。
自分も、シャルルのタクシーに乗車した気分になってきます。
彼女は、とんでもない、肝のすわった女性だったのです
悲しいことも、辛いこともたくさんあった。 女性の生きにくい時代に、キリッと背筋を伸ばして生きてきた彼女。
信号無視の違反切符なんて、彼女にかかれば、なんてことない
どん底だったシャルルにも、笑顔がみられます。 かけがえのない、一期一会になるのでした。
そして、思わぬ出来事が…。
『ひとつの怒りは、ひとつ老けさせ、
ひとつの笑顔で、ひとつ若返る 』
マドレーヌが、父親に言われたという言葉を、私も、胸に刻みたいと思いました。