『ディア・ブラザー』
【原題】Conviction
【製作年】2010年【製作国】アメリカ【監督】トニー・ゴールドウィン
【主なキャスト】ヒラリー・スワンク、 サム・ロックウェル、 ミニー・ドライヴァー、 メリッサ・レオ、 ジュリエット・ルイス、 ピーター・ギャラガー
『ARGYLLE / アーガイル』を観た流れで、サム・ロックウェルの出演作を観ることにしました。
これ知らない、と思ったら…
日本では、劇場未公開だったそうで。
実話ベースです。
そもそも感動的な話なのですが、キャストの演技力もプラスされ、説得力ありました。
ただ… 長い年月を描いているのに、キャストがあまり老けていないのは、気になりました。
特に、主人公の息子たちは、もっと成長しているはずなのでは?と思うものの…
冤罪の恐ろしさには震えますし、兄を信じ、救おうとする妹の意志の強さが凄まじくて、 涙なしでは、観られませんでした。
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ネタバレあります。
1983年、ボストン。
ケリー・ウォーターズ (サム・ロックウェル) は、殺人罪で逮捕されます。
彼は、一貫して無実を訴えますが、
彼に不利な証言もあり、有能な弁護士を雇うお金もなく、終身刑となってしまいます
妹 ベティ・アン・ウォーターズ (ヒラリー・スワンク) は、兄の冤罪を晴らすために、苦労して弁護士資格を取得!!
なんと18年かけ、兄の無罪を勝ち取りました。
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◆妹 (ベティ・アン)
演じているヒラリー・スワンクは、逆境に負けず やり遂げる、強い女性役が良く似合います。
こんな信念の女性、一家にひとり いてほしい。 お尻を叩かれそうだけど
少しは法律の勉強をしたことがあったのかな?と思いきや、
まずは、高校卒業資格を取得する必要があったベティ・アン。
弁護士になるなんて、遠い道のりです
しかも、仕事もしていて、息子が 2人いて… いくらなんでも、忙し過ぎました。
夫は去り、一時は、息子たちとも離れ離れになり、心が折れかかりますが、
一緒に学ぶ『自称オバさん学生』のエイブラ (演 : ミニー・ドライヴァー) の協力もあり、司法試験に見事合格!!
けれど…
これで兄を助けることができる、と喜んだのも束の間、ここからまた困難が待ち受けているのでした
兄を逮捕した女性警官は、
『自分が犯人だと決めた人物は、必ず犯人でなければならない 』という傲慢な考えの人物でした
彼女に脅され、偽証した女性たち。
当時の捜査手法も、お粗末でした。
DNA 鑑定って、今なら直ぐにやりそうだけど、あんなに手続きが大変とは。
それでも諦めないベティ・アンは、怖いくらい迫力ありました。
◆兄 (ケリー)
喧嘩っ早いこともあり、何度か警察のお世話になっていた彼は、犯人に ” させられやすかった “ のでしょう。
直ぐに脱ぐのが玉にキズだけど、愛嬌あって、憎めない。
演じるサム・ロックウェルの、得意分野ですね。
“ ちょっとしたワルさはしても、ケリーに限って殺人なんてしていない ” という確信がもてたのは、配役のおかげかも
刑務所暮らしが長くなり、もうダメだと諦めてしまったり、命を絶とうとしたりもしますが…
そんな風になるのも無理もない、と彼の表情に涙を誘われます。
それに、彼の 18年は、もう戻ってこないのです
2人は、幼い頃から、仲のいい兄妹でした。
恵まれない環境で育ち、助け合いながら育った彼らには、普通の兄妹の関係以上の、絆があるのかもしれません。
自分だったら、兄と さっさと縁を切るなあ。(薄情で、ごめんなさい)
もう、凄いとしか言いようがない、ベティ・アン。
それにしても、真犯人は何処に?
返す返すも、当時の警察がちゃんと捜査してくれていれば。
どんよりした気持ちになるのでした