『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』
【原題】Jeanne de Barry
【製作年】2023年【製作国】フランス【監督】マイウェン
【主なキャスト】マイウェン、 ジョニー・デップ、 バンジャマン・ラベルネ、 ピエール・リシャール、 メルビル・プポー、 パスカル・グレゴリー、 インディア・ヘア、 シュザンヌ・ドゥ・ベーク、 デイエゴ・ルファー、 ポーリン・ポートマン
『類まれな美貌と知性の女性 ジャンヌ』と、謳っておられます。で、
脚本、監督、主演は、マイウェン。
自信満々ですこと。
日本人がこれをやったら、バッシングの嵐かも
と言いつつ、マイウェンさんのこと、失礼ながら、存じ上げませんでした。
( リュック・ベッソンの 2番目の奥さんだった方のようですが )
つまり、監督にも主演女優にも興味はなかったのですが…
久しぶりのジョニー・デップだし、豪華な衣装が見たいし、ということで、観に行くことに。
ルイ15世を演じているジョニー・デップは、当たり前ですが、フランス語を喋っており、不思議な感覚になりました。
流暢なのかどうかは、全くわかりませんが
ハリウッド大作ではないのに、制作費大丈夫?と心配でしたが、そこは本場の、おフランス。
ベルサイユ宮殿でも撮影できたそうですし、衣装や装飾品は、CHANEL の協力もあったとか。
美術も衣装もゴージャスでした
さて、あらすじは…。
貧しい お針子の私生児として生まれたジャンヌは、類まれな美貌と知性で、貴族の男たちを虜にしていきます。
ついに、ベルサイユ宮殿に足を踏み入れた彼女は…。
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少々ネタバレあります。
デュ・バリー夫人のイメージが既にあった人には、微妙かもしれません。 私もそうです。
自分のイメージしていた、透き通るように お肌が綺麗で 豊満なジャンヌとは、似ても似つかなくて
苦労した少女時代をもっと詳しく描いてくれていたら、もしかしたら感情移入できたのかもしれませんが…
ひとりだけ、現代人が紛れ込んでいる感じがしました。
マイウェンさんも、お綺麗な方なんですけど、どうもしっくりこない。
パステルカラーや花飾りは、似合いそうもなく… 何より、ルイ15世と 33歳差には見えないのです。
好みの問題かもしれませんが…
別の女優さんを起用するか、監督自身が演じるなら、思い切って、新解釈にすれば良かったのにと思います。
仰々しいくらい、史実に忠実にしようとしているので、彼女だけが浮いている印象でした。
マリー・アントワネット役の、ポーリン・ポートマンは、肖像画から出てきたみたいで、可憐でしたが。
ジャンヌが、知的で、機転が利いて、慈愛に満ちた人物であることはわかったので、マイウェンに表現力がないわけではないのです。
この役には合わない、と思った次第です。
でも、こう感じるであろうことは、ある程度予想していたので、自己責任なのですが。
一方、男性たちは魅力的でした
◆問題児だったという、ルイ 15世。
ジャンヌと出会った頃は、60歳にさしかかっていたそうで… すでに何人もの女性と遊んできた ご様子。
でも、彼女のようなタイプは、きっと初めてだったのでしょう。
オモシロイと、興味をもった可能性はあるかも?
ジョニー・デップの軽妙な演技が、意外にも嵌っていました。
特に、長い長いモーニングルーティーン。 他のキャストは、よく笑わずに見ていられたものです
◆王の側近 ラ・ボルト ( バンジャマン・ラベルネ )
先日 観た、『デリシュ!』では、尊大な公爵役でしたが…
今回は、職務に忠実なだけでなく、ジャンヌにも親切で、好印象でした。
眼差しが優しかったのです。
◆デュ・バリー伯爵の息子 アドルフ
ジャンヌも可愛がっていましたが、あんなことになるとは。
美しい彼が早めに退場したのは、ジャンヌと同じように、私もガックリしました
◆あまり台詞はなかったけれど、スラッと背が高く、カッコいい、ルイ 16世 ( ルイ15世の孫ですね )
” ズングリムックリ “ だったという、史実とは、かなり違う印象です。
演じているデイエゴ・ルファーは、監督の息子さんなんだとか。
( 因みに、父親はリュック・ベッソンではないそうです )
というわけで、ゴージャスな美術や衣装や、美しい男性を拝見した、2時間でした。
目の保養になったから、それはそれで良かったやん、と自分を納得させながら帰ったのでした。