『ダム・マネー ウォール街を狙え!』

【原題】Dumb Money

【製作年】2023年【製作国】アメリカ【監督】クレイグ・ギレスピー

【主なキャスト】ポール・ダノ、 ピート・デヴィッドソン、 ビンセント・ドノフリオ、 アメリカ・フェレーラ、 ニック・オファーマン、 アンソニー・ラモス、 セバスチャン・スタン、 シャイリーン・ウッドリー、 セス・ローゲン




『オタク YouTuber』VS『金融界の欲深いエリート』なんて、面白くないわけがありません爆笑

スピード感あり、ノリのいい音楽に揺れながら愉しみました。


と言いながら、投資の知識がないので、観る前に、少し予習したのですが。

『ダム・マネー』とは? ( そっからかい爆笑) 愚かな資金のこと。つまり、アマチュア投資家の資金のことだそうで、

反対に『スマート・マネー』とは?
機関投資家の資金のことだとか。

つまり、“ 素人は愚かで、市場を引っ掻き回す ”っていう捉え方をされているのかな? 知らんけど。


各人物が、純資産額とともに登場してきたのは、初めての経験かも?
まさに、庶民と超富裕層との戦いなのでございました。


さて、あらすじは…。

コロナ禍の2020年。
マサチューセッツ州の会社員 キース・ギルは、全財産 5万ドルをゲームストップ社の株に注ぎ込んでいました。

ゲームストップ社は、実店舗でゲームソフトを販売しており、時代遅れで、倒産間近と囁かれていました。

キースは、赤いハチマキとネコのTシャツ姿の『ローリング・キティ』という名で動画を配信し、

ゲームストップ社の株が、過小評価されていると、ネット掲示板で訴えますが…。


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ネタバレあります。








『ゲームストップ株騒動』について、薄っすらしか知りませんでしたが…

このゴーカートに乗りさえすれば、誰でも、スリルと高揚感が経験できますよ、って感じでしたウインク


みるみるうちに値上がりする、ゲームストップ株に慌てる、
空売りバンバンしていた、ヘッジファンドと富裕層。 

庶民をナメてはあきまへん!!
集団になったら、山を動かすパワーがあるのです。 
豪邸暮らしの富豪たちをギャフンと言わせたのは、痛快でした。

と言っても、サクセスストーリー仕立てではありません。
個人投資家たちの、危うさも感じ、SNS や株のリスクも考えさせられます。
間違っても、全財産をつぎ込むものではありませんね。



キャスティングが絶妙でした。
実在の人物ゆえ、みんな “寄せている” のも、好感がもてます。

中でも、主人公キース役のポール・ダノは、実物にそっくり爆笑
彼は、サイコパスを演っても、こうした普通の人でも、やっぱり上手い。

妻役の、シャイリーン・ウッドリーも、いい味を出していました。
夫が、家事や育児を積極的にやっているのも素敵です。 


海の見える 瀟洒な豪邸に住む、プロトキン役のセス・ローゲン。
本来なら、いけ好かないキャラなのに、どこか憎めないのは、彼が演じているからでしょうか。


ゲームストップで働く ラテン系の青年役、アンソニー・ラモス。 軽く踊ってくれたのは、嬉しかったな。
可愛げがあり、やっぱり『千鳥の大悟』みがあるのでしたウインク



クライマックスの公聴会は、コロナ禍ゆえ、オンラインで繰り広げられました。

専門家にアドバイスされたり、スタッフが大勢いるエリート富裕層とは違い、キースを見守るのは妻ひとり。

ブレーンのいない彼の、
『全ての人々にチャンスが開けているはずだ』という、心からの発言には、グッときました。


2020年の出来事を、すぐさま映画化して、もう日本の映画館でも観られる。 
この機動力と情熱は素晴らしい。

マスク姿のアメリカ人が こんなに大勢観られるのも、貴重なのではないでしょうかウインク