『僕らの世界が交わるまで』
【原題】When You Finish Saving the World
【製作年】2022年【製作国】アメリカ【監督】ジェシー・アイゼンバーグ
【主なキャスト】ジュリアン・ムーア、 フィン・ウルフハード、 アリーシャ・ボー、 ジェイ・O・サンダース、 ビリー・ブリック、 エレオノール・ヘンドリックス
ジェシー・アイゼンバーグ初監督作品、ということで、期待70%、心配30%で、出かけました。
やり過ぎてなくて、余韻もあって、青春映画でもあって、私は好きです
A24 ぽいのかもしれませんが、面倒くさい親子を描いています。
たぶん、苦手な方も、いらっしゃるとは思いますが。
あらすじは…。
DV 被害にあった人々のための、シェルターを運営するエヴリン。
音楽好きな息子のジギーは、ライブ配信でウケることばかり考えています。
相容れない ふたりでしたが…。
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少々ネタバレあります。
とても痛々しい、ふたり。
母親も息子も、かなりズレていて、何度もイタタとなりました。
なんだか、スベった お笑いを見ているような感情になるのです。
ふたりにその認識はないでしょうが、
正真正銘の、似たもの親子
そんな不器用さや、噛み合わない姿を観ていると…
も〜う、世話が焼けるなあ。 でも、この感じ、嫌いじゃないよ。
と、だんだん愛おしくなってくるのでした。
さて、そのふたりは…。
◆意識高い系の母親エヴリン ( ジュリアン・ムーア )
真面目すぎて、正義を振りかざし、かなりウザい。
シェルター入所者の息子への親切が、余計なお世話へと暴走していきます。
大学に進むかどうかは、彼の意思次第なのに。 そんなこと、彼女は当然わかっているはずなのに。
あの男の子に、理想の息子を投影したのでしょうか?
根は悪い女性じゃないんですけど
◆Z 世代の息子ジギー ( フィン・ウルフハード )
好きな女の子に近づきたくて、政治を知ったかぶりします。 全く関心ないくせに。
あの意識高い系の女の子、ハッキリ言ってくれて、逆に良かったやん。
あ、でも、ママの若い頃って、あんな感じだったんとちゃうかな? 気づけよ、ジギーくん。
ビジュアルいいんだし、ありのままで勝負したら、いいと思うよ。
この息子は、おバカで、オコチャマなのでした
そんな母親と息子なわけですが…
母親は、理想の息子を求め、
息子は、理想の母親を求める。
顔を合わせれば、お互いに苛つくけれど、憎いわけではなくて。
親子って、一番身近だけど、面倒くさいものですね。
砕け散って、石ころになって、お互いを求め合ったふたり。
このラストも、素敵です
親子の物語にありがちな、涙の感動モノではなく、抑え気味なのが、私は好きでした。
BGMも、いちいちセンスいい。
で… 影の薄い父親が、ちょっと可哀想になるのでした