『ナポレオン』
【原題】Napoleon
【製作年】2023年【製作国】アメリカ【監督】リドリー・スコット
【主なキャスト】ホアキン・フェニックス、 ヴァネッサ・カービー、 タハール・ラヒム、 マーク・ボナー、 ルパート・エベレット、 ユーセフ・カーコア
好きな俳優のひとり、タハール・ラヒムが出演するということで、彼が演じる人物については予習しました。
ポール・バラスって、誰やねん?
状態だった無知な私ですが…
『悪徳の士』と呼ばれる、ワルイ男だった。
で、あろうことか、元々ジョゼフィーヌを愛人にしており、彼女をナポレオンに “ 譲った ” のでありました
今作では、そんなことは描かれておらず、安心するやら、残念に思うやら。
でも、こうして大作の 3番目にクレジットされたのは嬉しいことです。
次は、意外にも、ヒーローものに出るそうで。
それはさておき、今作のテーマは、
①英雄としてのナポレオン
②愛するジョゼフィーヌに振り回される、人間ナポレオン
の 2つなんだと思われます。
◆英雄ナポレオンとして
教科書でしか見たことのなかった、極寒の『アウステルリッツの戦い』では、
氷の中に落ちていく、馬や兵士まで描かれていてウォーとなりました。
お馬さんは、可哀想でしたが。
ナポレオンが再起を期した『ワーテルローの戦い』では、
イギリス軍の『方陣』の敷き方に目を見張りました。
言葉を聞いても、” 何のこっちゃ “ だったことを映像で見せてくれる、親切設計。
徒歩か馬で進み、大砲ドカーン、サーベルでバサッが、主流だった時代。
テクノロジーに頼らない戦いが、新鮮でしたし、大勢の兵士は迫力ありました。
ボロボロの服着て、自分で偵察するナポレオンの姿に、彼は、戦いの申し子なんだと改めて思いました。
◆人間としてのナポレオン
田舎者で、背が低く、品もなく…
たぶん、コンプレックスの塊だったと思われるナポレオン。
それに対して、同性からみても、魅力的なジョゼフィーヌ。
愛されているのを自覚し、何かと、ナポレオンにマウントとりがち。 時々イケズ。
『あなたは 私なしじゃ ただの男』
言ってみたいものです
そんなジョゼフィーヌを前にすると、ナポレオンは、戦いの時の強さはなく、情けないほどメロメロで。
それは、滑稽でもあり、可愛くもあり。
そして、哀しいことに、絶望的に女心がわからない。
待望の息子が生まれ、別れたジョゼフィーヌに見せに行くとは、絶句です。
彼女との子どもができないからと、離婚しておいて。 そういうトコやで
そんな 2人は、喧嘩も多かったけれど、共依存の関係に思えました。
ナポレオンは、ジョゼフィーヌを頼りにし、離婚後もずっと想っていた。
まさに、別れても好きな人。
夫を亡くしたジョゼフィーヌは、生活のためにナポレオンと結婚したと思われます。 最初は、そんなに好きでもなく、浮気もしたけれど…
次第に、彼女も、ナポレオンを想うようになっていった。
なんやかんやあって、別れた 2人ですが、夫婦ではなくなっても、親友のような関係だったようで…
男女の関係って、つくづく難しい
2人が出会わなければ、もしかしたら、歴史は変わっていたのかもしれないな、なんて考えながら帰ったのでした。