『オールド』
【原題】Old
【製作年】2021年【製作国】アメリカ【監督】M・ナイト・シャマラン
【主なキャスト】ガエル・ガルシア・ベルナル、 ヴィッキー・クリープス、 ルーファス・シーウェル、 アレックス・ウルフ、 トーマシン・マッケンジー、 アビー・リー、 ニキ・アムカ=バード、 ケン・レオン、 エリザ・スカンレン、 アーロン・ピエール、 エンベス・デイヴィッツ、 キャスリーン・チャルファント、 フランチェスカ・イーストウッド、 マシュー・シアー、 ダニエル・アイソン
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『ノック / 終末の訪問者』に続き、最近の、M・ナイト・シャマラン監督作品です。
こっちは大丈夫。オチがあります
公開当時は、トーマシン嬢が観たいがために鑑賞しました。
やっぱり可愛い♡
そういうファンの気持ちに答えるためか?出番は多くないものの、いい台詞を与えられていたような
オチがわかっている今回は、落ち着いて観ることができました。
謎解きのヒントが、幾つも散りばめられていたのですね
荒唐無稽ではありますが、設定がおもしろい。
原作があるそうなので、監督の発想力の賜物とは言えないけれど。
シャマラン監督は、運転手として、いいお芝居していました
何気ないことをする、できることの大切さを知る物語でした。
あらすじは…。
『アナミカ・リゾート』にやって来た、それぞれワケアリ?の人々。
ホテルのマネージャーに勧められ、プライベートビーチに行くことにした、2組の家族は…
◆ガイ (保険数理師)・プリスカ (博物館勤務) 夫妻、娘マドックス、息子トレント
◆チャールズ (医師)・クリスタル夫妻、娘カーラ、アグネス (チャールズの母)、愛犬
そして、先にそこにいたのは…
◆セダン (ラッパー) です。
初めは美しい海に感動し、子どもたちは、はしゃいでいました。
しばらくして、女性の死体が見つかります
騒ぎになってからやって来たのは、
◆ジャリン (看護師)、パトリシア (分析医) 夫妻 でした。
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少々ネタバレあります。
30分が1年? いや、1日が一生?
急速に時間が過ぎるビーチ
幼い子どもが、驚くスピードで成人になり、中年になる。
キャストが多いのは、ひとりの人物を3人や4人で演じているから。
似た顔立ちの子役を選び、この変化に違和感は、あまり感じません。
アナログな手法で、正解でした
でも… “元から大人” だった人たちが、ほとんど変化していないのは、やはり気になります
大人の方が変化が少ないのは、理解できるのですが、シワが少し増えたくらいというのは、どうなんでしょう?
目が悪くなった、耳が聴こえにくくなった、という描写はあったものの…。
今まで守られてきた立場の人が、逆の立場になっていたのには、成長したなと、グッときたのですが
チャールズたちの精神が壊れていく様子は、現実味あり、怖くなりました。
元々の精神疾患が悪化したのか?
プライドが高い彼は、この状況が耐えられなかったのかもしれません
美しい容姿が誇りだった妻のクリスタルは、娘に起こった出来事もショックだったのでしょうが、
自分の老化に耐えられず、おかしくなったように感じました
一方の子どもたちは、急速に大きくなって、身体の変化には慣れても、心はついていけない。
トーマシン嬢が『今は心に色がいっぱい。でも濃くない』と呟いていましたが…
普通なら、徐々に大人になるから、いろんな経験をするわけで。
無用だと思っていたあの授業とか、卒業式とか、耐え難い朝礼さえも…
大人になるために必要だったのかも、などと考えながら観ておりました
上手いな、と思ったのは…
●ターゲットになった人たちの、職業や疾病のチョイス。
裁縫セットで手術したり、それぞれの状況を分析できる人がいたり…
白骨で時間の経過を推理するのには、唸りました
すぐに『統計的には…』と言い出す、ガイはウザかったけれど。
●いてほしい人物は、早く退場してしまうという法則が成立していました。
どうしたら脱出できるのか?一番考えていて、行動した人。
勇気も知識もあり、思いやりもある人物が、早めに命を落としました。
より窮地に陥らせるためですね
●上手い話にはウラがある。
インターネットで予約した、格安リゾート。『お客様だけですよ~』というマネージャーのお誘い。
皆さん、行かなきゃ、ターゲットには、なっていなかったのですから
“実行していた” 組織の人々は、犯罪だという認識はあった。
でも、“意義あることだから” と納得していた。そのことが怖いです。
謎の生命体や暴力とは違う怖さ。
今も何処かで、同じようなことが行われいるかも?と、思わないでもない。
ゾッとします。
リゾート地に向かう時の、
『この時間を楽しむ』という言葉が、重いものとなりました。