『オットーという男』

【原題】A Man Called Otto

【製作年】2022年【製作国】アメリカ【監督】マーク・フォースター

【主なキャスト】トム・ハンクス、 マリアナ・トレビーニョ、 マヌエル・ガルシア=ルルフォ、 レイチェル・ケラー、 トールマン・ハンクス




原作の、フレドリック・バックマンの『幸せなひとりぼっち』は、読んでおりません。


映画化されたハンネス・ホルム監督の作品は、前にサブスクで観ました。



舞台をスウェーデンからアメリカに変えて、リメイクしたそうですが…


2作品を比べることはしないで、この作品のみの感想にいたします。原作がどうなのか、わからないですし。



多くの方が絶賛されているように、心温まる良作でした。


低音が印象的な劇伴や、グリーティングカードのようなEDなど、センスもいい。伏線もきちんと回収していますウインク



でも、何だかまとまり過ぎだと感じた私は、ひねくれ者なのか爆笑

号泣する準備万端だったけれど、大きな感動とはならなかったのです。


それは、もしかしたらスウェーデン版を観ていたからかも口笛




でも、トム・ハンクスは、やっぱり素晴らしい。表情の変化が流石です。


特に、最初は拒否していた猫ちゃんとの絡み。ムスッとしていたのに、デレデレになっていくのが可愛いかった♡


トム・ハンクス with 猫😺をずっと観ていたかったくらい好きです。



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少々ネタバレあります。






妻に先立たれた、孤独な男性。

観ながら、イーストウッドの『グラン・トリノ』を思い出していました。

車のエピソードもありますし口笛



オットーは、偏屈な嫌われ者というより、“キチントさん” と呼んだ方がいいかもしれません。


ゴミの分別や駐車違反とか、ルールに厳しい。雪かきするのも、直角に。

曲がったことが嫌いだけど、意地が悪いわけではないのです。


何だかんだ言いつつ、ご近所さんを助けてあげる優しさもあり、だんだんチャーミングに感じてきますおねがい



仕事を失ったとはいえ、経済的には困っていないようです。

趣味を見つけるとか、ボランティアとか、仕事だって恋だって… 

まだまだ何でもできるのに、そんなに絶望しなくてもと、外野は思いますが。



出会って『モノクロに色が着いた』という亡き妻への想いが強すぎる彼。

それは素敵なことだけど、前は見ず、後ろばかり見ているショボーン




自ら人生を終えようとした彼を変えたのは、ご近所さんでした。


特に、引っ越してきた一家。

メキシコ系の奥さんが魅力的です。

パワフルで、お節介焼き。少々うるさいけれど、あの明るさがいいウインク


旦那さんのポンコツぶりは、もはや癒やしですし、何より子どもたちが可愛い。


『オットー!! OTTO』と呼ぶ声の幸福感よ。あんなん、メロメロになるしかないです爆笑


ちょっとウザくて、あそこに住むのは遠慮したいけれど、観ていて笑顔にさせてくれる一家でした。




他のキャストも、嵌っていたのですが、気になったのは、若き日のオットー役の、トム・ハンクスの息子さん。


何と言ったらいいのか? Mr.ビーンのような容貌で、演技は棒立ちでショボーン


演技の経験がない (撮影の仕事をされてるとか) から仕方ないけれど、他の方たちに演技力があるので、浮いていました。


違和感ないように、似ている人を… という意図だったそうですが。


彼を絶賛し、親子共演を喜ぶ声が多いので、やっぱり私はひねくれ者だったようです爆笑




観終わって感じたこと。


歳を重ねての、ひとり暮らしは、そんなに不幸なことなのか?


心の持ちようで、そんなことはないはずだと思うのです。

人との繋がりがあれば、何か楽しめることがあれば。


もしそういう老後になったとしても、最後まで生きようと、謎の決意をしたのでした爆笑