『モリコーネ 映画が恋した音楽家』

【原題】Ennio

【製作年】2021年【製作国】イタリア【監督】ジュゼッペ・トルナトーレ

【主な登場人物】エンニオ・モリコーネ、 クリント・イーストウッド、 クエンティン・タランティーノ、 ウォン・カーウァイ、 オリバー・ストーン、 ハンス・ジマー、 バリー・レヴィンソン、 ジョン・ウイリアムズ、 ダリオ・アルジェント、 ジュゼッペ・トルナトーレ、 ベルナルド・ベルトルッチ、 ジェームズ・ヘットフィールド、 クインシー・ジョーンズ、 ローランド・ジョフィ、 リナ・ウェルトミューラー




2020年に逝去された、映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネを描く、ドキュメンタリー映画です。


監督は、あのジュゼッペ・トルナトーレ!!

わ~これは観たい、聴きたい、となりましたおねがい



と言っても、音楽に詳しいわけでもないですし、彼が音楽を担当したと知っていたのは…


『荒野の用心棒』『ニュー・シネマ・パラダイス』『アンタッチャブル』『めぐり逢い』『海の上のピアニスト』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』くらいでした。



でも… この作品もなのか、あれもだったのか、と知ることができました。

音楽を担当した映像が、500以上もあるとは、驚きですおねがい



錚々たる映画監督や音楽家への、インタビューも興味深かったです。


特に、ハンス・ジマーの愛ある熱弁と、今も奇麗な声のジョーン・バエズが印象的でしたおねがい



数々の名場面も観ることができ、彼のメロディを映画館の音響で聴くことができて、幸福な時間。


157分と長めでしたが、もっと聴いていたくなりましたおねがい



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ネタバレあります。




監督が5年間、モリコーネに密着した映像を元にしているそうです。


モリコーネの朝は、ストレッチから始まります。



まず驚くのは、彼の記憶力!!

あの時はこうだった、彼はどう言ったとか、50年前のことでもスラスラ話します。


それも、タラタララ〜♪とか、メロディもつけ、身振り手振りありでびっくり


きっと、身体を大事にされていたのでしょう。声も大きく、淀みなく。

こんな年齢の重ね方をしたいと思いましたおねがい



本人は、医師になりたかったそうですが …トランペット奏者の父親に勧められ、音楽院に入り、トランペットを学んだモリコーネ。


父が病気になってからは、通学しながら、トランペットでお金を稼いでいたけれど…

生活の糧に吹く、というのが嫌になったそうですショボーン



それで、作曲を専攻するようになり、まずは編曲から始めた彼。

『編曲を発明した』とまで言われていたのですね。知らなかったチュー


この頃は、音楽院の恩師や学友にも、認められていたようですが…


映画音楽を始めると、“芸術的ではない” と冷たい目で見られていたらしく… 

そのことに後ろめたさがあり、何度も辞めようと思ったとか。



でも、『ワンス・アポン・ア・タイム』で、見方が変わったそうで、クラッシック畑の方も絶賛していましたおねがい



クエンティン・タランティーノの

『モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトに匹敵する』という言葉が沁みました。



素敵なエピソードの数々ニコニコ

『荒野の用心棒』の、セルジオ・レオーネ監督は、モリコーネと小学校の同級生だそうで… 


ローマの街角で、半ズボンの2人が並んでいる姿を想像したら、何だかほっこりしましたウインク



スタンリー・キューブリック監督から『時計じかけのオレンジ』の音楽を依頼されたモリコーネ。

けれど… レオーネ監督が、“俺の仕事があるから” と断ったとか。


『その仕事は終わっていたのに』と、やりたかった様子のモリコーネ口笛

レオーネ監督は、彼の才能を離したくなかったのかな?



そして… モリコーネが愛した、奥様のマリア。

自分がいいと思う曲は、“難しい” と言われてしまうので… 最初の頃は、奥様がいいという方にしていたそうなおねがい



お父さんが歳を重ねてトランペットが吹けなくなると、トランペットの曲は書かなかった。

で、亡くなってからいっぱい書いた、というエピソードもいいなあウインク



ガスの料金を払った時に、浮かんだメロディがあるとか。才能にお手上げです爆笑



新しいものも、どんどん取り入れるけれど、自分の信念に反するものは、断固拒否する。


普段は、穏やかでチャーミングだけど… 信念があってカッコいいラブ




ジュゼッペ・トルナトーレ監督の、モリコーネへの畏敬の念を、ひしひしと感じました。

 

自分でも驚いたのですが、自然と涙がこぼれました。



監督を知り、脚本を読み、シーンに合う音楽に拘ったモリコーネ。


名だたる音楽家や監督たちに『マジカル』と言わしめる昔の作品も、もっと観たい聴きたい、と思うのでしたおねがい