『リトル・ロマンス』
【原題】Little Romance
【製作年】1979年【製作国】アメリカ【監督】ジョージ・ロイ・ヒル
【主なキャスト】ローレンス・オリヴィエ、 テロニアス・ベロナール、 ダイアン・レイン、 ブロデリック・クロフォード、 デビッド・デュークス、 アーサー・ヒル、 サリー・ケラーマン
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早いもので、大掃除シーズン。
家にある DVD の整理を兼ねて、久しく観ていない作品を鑑賞していこうかと。
果たして大掃除は、捗るのでしょうか
まずは、DVD ジャケットが大好きな今作。 少年少女向きかもしれませんが…
監督は、🇺🇸 のジョージ・ロイ・ヒルですし、心地よい音楽は、🇫🇷 のジョルジュ・ドルリューが担当。
その上、🇬🇧 の名優ローレンス・オリヴィエが、画面をまとめる贅沢さ。
“ 本気度 ” がわかります。
そして… 監督に “ 発見された ” ダイアン・レインの、映画初出演作でもあります。
知的で可憐で、彼女がいなかったら、この作品は成立しなかったのでは?
棒のように細い脚に、ハイソックス履いている彼女。
こんな頃が自分にもあったなと、懐かしくもなりました
ネタバレあります。
パリ郊外で、タクシー運転手の父親と暮らすダニエル ( テロニアス・ベロナール ) は、
課外授業で行ったルーブル美術館で、ローレン ( ダイアン・レイン ) と出会います。
アメリカ人のローレンは、母親と、大会社の欧州代表の義父 ( アーサー・ヒル ) と、暮らしていました。
『IQ 167』の彼女は、同年代とは話が合わず。“ 自分は普通ではない ” と感じていましたが…
同じように “ 普通ではない ” と感じている、ダニエルとは話が弾み、惹かれ合います。
けれど… ローレンの誕生パーティーで、ダニエルは彼女の母親を怒らせ、交際を反対されてしまいます
義父の転勤で、アメリカに戻ることになったローレン。
ダニエルと一緒に、家出することを決意します。
目的地は、ベネチア!!
『ゴンドラに乗り、嘆きの橋の下で、日没の瞬間にキスすれば、永遠の愛を手にする』
という伝説を実現させたいと…。
ひょんなことから知り合った老人ジュリアス ( ローレンス・オリヴィエ ) を巻き込み、
3人でイタリアを目指しますが…。
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賢くて容姿にも恵まれ、豪邸に暮らすローレンですが、寂しい暮らしです。
父親は 3人目で…
『パパと呼ばないのは、失った時に悲しいから』と言うのが、泣かせます
母親は、派手な映画監督に夢中。
もしや 4人目か? 身勝手な大人たちに、モヤモヤしますが…
義父は、ちゃんとした大人だった。
妻と娘を大事にするのが、カッコ良かったな
ローレンはフランス語、ダニエルは英語も話し、ハイデッカーを語る 2人は、大人びていましたが、
やっぱり子どもで、家出の段取りになると、ポンコツぶりを発揮して…
そんな姿が、愛おしい
で、女のコの方が、しっかりしているのは、洋の東西を問わずなのかな?
全編通して、涼風のように、音楽が心地いい
特に、自転車レースに混ざって逃亡するシーンは、ウキウキしました。
“ 同行させられた ” ジュリアスが、音楽に合わせるように、必死で自転車を漕ぐのは、気の毒だけど、可愛かったです
そして、訳アリの彼が、『奇跡を起こすのは、勇気と想像力だ』と言うのが味わい深い。
2人の保護者のようでもあり、キューピットのようでもありました
微笑ましい 2人の、その後が観たいとも思いますが…
( ちなみに、ダニエルの中の人は、歯医者さんになったのだとか )
別れの時 2人は、もう会うことはないだろうと、思っているようでした。
今なら、いろんな方法があるけれど… 文通の時代ですから
『会える頃には、“ 普通の人 ” になっているわね』と、ローレンが言い…
『そんなのダメだよ。僕も変わりたくない。 “ 普通の人 ” と違う、それでいい』と答えるダニエル。
そのままがいい。そのままでいてほしい。少年少女時代の、最高な記憶として、胸にしまっておく。
後日談もなかった、この終わり方が、粋なのかもしれません。