『フェイブルマンズ』

【原題】The Fabelmans

【製作年】2022年【製作国】アメリカ

【監督】スティーブン・スピルバーグ 【主なキャスト】ミシェル・ウィリアムズ、 ポール・ダノ、 セス・ローゲン、 ガブリエル・ラベル、 ジーニー・バーリン、 ジュリア・バターズ




スティーブン・スピルバーグ監督の、自伝的なお話ですが…

『フェイブルマン “ズ” 』というだけに、一家の物語でもあります。

もっと華々しく描くこともできただろうに、淡々としています。
脚色はあまりしていないと想像でき、そこがいいなと思いましたウインク


家族でいることの楽しさは、もちろんあるけれど、辛さも葛藤もあった。

同じように、映画を作ることは楽しく、夢中になるけれど…
誤解されたり批判されたり、思わぬ結果をもたらすこともあった。

大伯父の台詞のように、『喜びを得られるが、痛みを伴うことになっていく』ものなのでしょう。


それでも、長年作り続け、届けてくれていることを考えたら、胸が熱くなりました照れ


     ✢ ✢ ✢ ✢ ✢



ネタバレあります。






監督が、映画界に足を踏み入れた頃までを描きます。


一番感じたのは、この両親だからこそのスピルバーグ監督なのだ、ということですおねがい




第二次大戦後の、🇺🇸 アリゾナ州。


両親と初めての映画館。

サミー・フェイブルマンは、暗闇を怖がって、入るのを嫌がりますが…


科学者のパパは、映画が映し出される仕組みを説明し、ピアニストのママは、ステキな夢のようなんだと話して、説得しますウインク


ユニークな映画経験のスタートです。



恐る恐る観た、初めての映画は、『地上最大のショウ』でした。

皆様、正装して映画鑑賞しているのが、何だか新鮮ですウインク


列車が車と衝突するシーンに衝撃をうけたサミー。

頭の中が、そのことでいっぱいになりますウインク



パパは、模型列車が走るジオラマを与えます。70年前ですから、🇺🇸でもそんな家、そうそうなかったのでは?


ママは『撮影すれば、何度でも観られる』ことを教えてくれます。

ママとサミーだけのヒミツ口笛



そして、パパの8ミリで撮った映像を映し、同時にレコードで名曲を流すようになるサミー。


科学と芸術が側にある家庭で育ったことが、大きかったのでしょうおねがい


しかも、それぞれを主人公に映画ができそうな、才能豊かで個性的な両親なのですから。




好奇心旺盛で、奔放なママ。

『竜巻を見に行こう!!』と、子どもたちを乗せ、車をぶっ飛ばしますびっくり


そして『全ての出来事には、意味がある』と、子どもたちに唱えさせます。


ヒマワリのように笑顔を振りまいたり、おどけて家族を笑わせたり、チャーミングウインク


けれど、情緒不安定で、ふさぎ込むと何もできなくなる、危うさも。


演じるミシェル・ウィリアムズ、クルクルした眼で感情を表します。

ピアノに向かう姿も素敵でしたおねがい




天才的な頭脳のパパは、仕事で忙しいし、食事中も直ぐに科学の話になってしまうけれど…


ママを愛し、子どもたちのことも考えていたと思います。

息子を科学者にしたかったのか?サミーに対しては、教育パパだったかもしれませんが。



相性がいいようには思えないママのことも、理解しようと努力していた。

ピアノ弾くママを、うっとり見つめる姿が切なかったですショボーン



“くせ者路線” まっしぐらの、あのポール・ダノが、こんな大きな子どもたちの父親役だなんて。


でも、4人のパパとして、物語の中で生きていましたおねがい




映画製作に夢中になるサミー。

トイレットペーパーやケチャップ使って、無邪気に撮影していた頃は楽しそうでした。妹たちも可愛いおねがい



でも、カメラが偶然捉えたママの姿に、苦しむことになります。

早い段階で、映像のもつ、光と影を知ったのでしたショボーン




テンションが上がったのは、ジョン・フォード監督と面談するシーン。

演じるのは、なんと、あの大物監督 (お名前は伏せておきます) です!!



登場の時は、ホッペにキスマークつけてるし、葉巻は火事になりそうな勢いだし… きっと、ノリノリで演ってそうです爆笑


『地平線は、上と下はいいけど、真ん中はダメだ』そうでしょうとも口笛


サミーが、夢じゃないかと喜ぶ姿に、こちらまで嬉しくなりました。




苛められた高校時代。大学にも馴染めなかったサミー。


自分には映画しかない。そう決めたんだ。

希望に向かうラストが好きですラブ



何だかんだあっても、愛してやまない映画と家族への想いが溢れていました。