マルティン・ハーゼルベック指揮ウィーン・アカデミー管によるリストの管弦楽作品集。


ウィーン・アカデミー管は1985年にハーゼルベック自身が創設した古学オーケストラ。


タイトルの「サウンド・オブ・ワイマール」というのは、古学オーケストラによる演奏である事を強調したものなのだろうか。


曲目と録音年は


CD1

「ダンテ交響曲」

1."地獄篇"

2."煉獄篇"

3."マニフィカト"

4.「システィーナ礼拝堂で」

シネ・ノミネ合唱団女声セクション

(2010)

CD2

「ファウスト交響曲(3人の人物描写による)

1.1楽章"ファウスト"

2.2楽章"グレートヒェン"

3.3楽章"メフィストフェレス"-"終景の合唱"

スティーヴ・デイヴィスリム(テノール)

シネ・ノミネ合唱団男声セクション

(2014)

CD3

1.交響詩「前奏曲」

2.交響詩「オルフェウス」

3.交響詩「人、山の上で聞きしこと」

(2011)

CD4

1.交響詩「フン族の戦争」

2.交響詩「ハンガリー」

3.交響詩「マゼッパ」

(2011)

CD5

1.交響詩「タッソー、悲哀と勝利」

3つの葬送的頌歌」

2.3"タッソーの葬送的凱旋"

3.交響詩「英雄の嘆き」

4.交響詩「理想」

(2011)

CD6

1.交響詩「プロメテウス」

2.交響詩「祭典の響き」

3.交響詩「ハムレット」

交響詩「ゆりかごから墓場まで」

4."ゆりかご"

5."生の闘争"

6."墓場へ"

(2011)

CD7

「シューベルトの行進曲」より

1.3

2.2

3.4

「シューベルトのさすらい人幻想曲 (リストによるオーケストラとピアノ編)

4.1楽章

5.2楽章

6.3楽章

7.4楽章

ゴットリープ・ヴァリッシュ(フォルテピアノ)

3つの葬送的頌歌」

8.1"死者"

9.2""

10.「王の旗は翻る」

(2014)

CD8

1.「メフィスト・ワルツ第2番」

「レーナウのファウストによる2つのエピソード」

2.1

3.2

2つの伝説」

4.小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ

5.波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ

6.「ラコッツィ行進曲」

(2017)

CD9

6つのハンガリー狂詩曲」(ドップラー編)

1.1

2.2

3.3

4.4

5.5

6.6"ペストの謝肉祭"

(2012)


リストの管弦楽曲を古学オーケストラが演奏しているという事以前に、全交響曲、全交響詩を含むこれだけの曲目が揃ったボックスの登場が嬉しい。


分売でリリースされて来た8枚に、新しくCD8を加えた9枚組。


古学オーケストラの響きが新鮮なのは勿論、端正かつパワフルな演奏が素晴らしい。


ただボックス化に際しては、交響詩を作曲順に並び替えて欲しかったところ。





以前、韓国のEMIからリリースされた33枚組について書いたが、こちらはDeccaからのリリースであるものの収録されているのはPhilips音源で、即ちジャケットの写真に反して1960年代の、若かりし頃のサヴァリッシュが聴ける14枚組となっている。


曲目と録音年は


CD1 /ブラームス

1-7.ドイツ・レクイエム

ヴィルマ・リップ(ソプラノ)

フランツ・クラス(バリトン)

ウイーン交響楽団

ウィーン楽友協会合唱団(1962)

CD2 /ブラームス

1.大学祝典序曲(1961)

2.悲劇的序曲(1961)

3.運命の歌(1962)

ウィーン楽友協会合唱団

4.アルト・ラプソディ(1962]

アーフェ・ヘイニス(コントラルト)

ウィーン楽友協会合唱団

5.ハイドンの主題による変奏曲59

ウイーン交響楽団

CD3 /ブラームス

1-4.交響曲第1番(1962)

5-8. 交響曲3番(1961)

ウイーン交響楽団

CD4 /ブラームス

1-4.交響曲第2(1959)

5-8.交響曲4番(1963)

ウイーン交響楽団

CD5 /ハイドン

1-4.交響曲第94番「驚愕」(1961)

5-8. 交響曲第 100番「軍隊」(1961)

9-12. 交響曲第 101番「時計」(1962)

ウイーン交響楽団

CD6 /メンデルスゾーン

1-20. 「エリヤ」第1部

CD7 /メンデルスゾーン

1-22. 「エリヤ」第2部

エリー・アーメリング(ソプラノ

レナーテ・クラーマー(ソプラノ)

アンネリース・ブルマイスター(アルト)

ギゼラ・シュレーター(アルト)

ペーター・シュライヤー(テノール)

ハンス=ヨアヒム・ロッチュ(テノール)

テオ・アダム(バス

ヘルマン=クリスティアン・ポルスター(バス)

ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

ライプツィヒ放送合唱団(1968)

CD8 /メンデルスゾーン

1-4.交響曲第1

5-8.交響曲第3番「スコットランド」

ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(1967)

CD9 /メンデルスゾーン

1-10.交響曲第2番「讃歌」

ヘレン・ドナート(ソプラノ)

ロトラウト・ハンスマン(ソプラノ)

ヴァルデマール・クメニット(テナー)

ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(1967)

CD10 /メンデルスゾーン

1-4.交響曲第4番「イタリア」

5-8.交響曲5番「宗教改革」

ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(1966)

CD11 /シューベルト

1-4.交響曲第1番

5-8.交響曲第2番

9-10.イタリア風序曲第1-2番

シュターツカペレ・ドレスデン(1967)

CD12 /シューベルト

1-4.交響曲第3番

5-8.交響曲4番

シュターツカペレ・ドレスデン(1967)

CD13 /シューベルト

1-4.交響曲第5番

5-6.交響曲第8番

7-8.交響曲第6番 1-2楽章

シュターツカペレ・ドレスデン(1967)

CD14 /シューベルト

1-2.交響曲第6番 3-4楽章

3-6.交響曲第9番「グレイト」

シュターツカペレ・ドレスデン(1967)


シューベルトは交響曲全曲、ブラームスは交響曲全曲と「ドイツ・レクイエム」、メンデルスゾーンも交響曲全曲と「エリヤ」が網羅されており、録音も良い。


ブラームスも素晴らしいが、特にシューベルトとメンデルスゾーンについては同曲の決定盤と言えるだろう。


当時、カラヤンの後継者とも目されていたそうだが、それも頷ける。


もっとも後年と異なる指揮ぶりを聴かせるわけではなく、サヴァリッシュの音楽に対する姿勢が一貫している事もよく判るボックスだ。







イエスのアルバム「危機」の、2013年にリリースされたCDとブルーレイ・オーディオの2枚組。


CDにはアルバム「危機」と「America」の「2013 Stereo Mixes」及び曲「Close To The Edge」のメイキング・ヴァージョンを収録。


ブルーレイには、アルバム「危機」の「2013 Stereo Mixes」「5.1 Sorround Mixes」「Original Stereo Mixes」「UK Vinyl Transfer」、曲「Close To The Edge」のメイキング・ヴァージョンのほか、「America」の「2013 Stereo Mixes」「5.1 Sorround Mixes」「Original Stereo Mixes」「Single Version」などを収録している。


2013 Stereo Mixes」は、おなじみスティーヴン・ウィルソンによるもの。


紙ジャケットはLPのジャケットを再現しているし、ブックレットには興味深い写真が満載される。


もうブートには近づく余地もないマニアックな内容だ。


アルバム「危機」の決定版と断言出来る。


ちなみにスティーヴン・ウィルソンのミックスは新鮮ではあるものの、鋭角過ぎて耳に痛いので、個人的には「Original Stereo Mixes」か「UK Vinyl Transfer」があれば充分。


色々なヴァージョンが収録されているため、同じ曲を何回も聴かされるわけだし、そもそもアナログ時代から何百回聴いているかわからないのだが、全く飽きない。


改めて名曲であり、名盤である事を痛感させられる。