昨日記事を書いた米国のリーチサイトDanbooruには無断で転載された数百万のイラスト、中には漫画も入っています。日本人の絵が目立ちますが中国や米国他の作家の作品もあります。
作家や作品を検索するタグにofficial art、logoがあります。
公式のイラスト、ロゴが入っています。
これがデータセット化されDanbooru2018~2023が公開されています。昨日書いた2022はライセンスがcc0(著作権放棄、他はMIT)です。それが画像生成AIの製作に使われた
ことで2022年に著作権侵害だと問題になりました。
高品質な美少女イラストを生成できるNovelAI Diffusionです。
有料サービスとして提供されたため強い批判を浴びました。以後
pixivランキング上位の美少女イラスト風生成物が氾濫し始め、その学習元となっているpixivに投稿しているイラストレーターの非公開祭り、退会が相次ぎました。私も昨年退会しています。
詳しい経緯はこちらの記事をご参照ください。
米国ではフェアユースという説明がされますが、フェアユースには条件があります。ゴールドスミスの撮影したプリンスの写真を元にしたアンディ・ウォーホルの作品を、アンディ・ウォーホル財団が無断で商用利用した問題で、フェアユースが認められない判決が出ています。仮に生成AIでウォーホール風に写真加工して無断で商用利用すれば、フェアユースと認められるかどうか疑問です。現在生成AIの無断学習についてもフェアユースかどうかを問う複数の訴訟が進行中です。フェアユース(日本にはない)、合法だと単純に断定することはできません。
米国でも結論が出ていないのが現状です。
Danbooruは公式画像もロゴも入っているため、AI生成物は著作権侵害だけでなく商標権侵害になる可能性もあります。Bingで公式ロゴが生成される問題でディズニーがマイクロソフトに商標権侵害の防止策を要請しています。商標権は10年ごとに更新でき著作権よりも長く無期限に独占利用できるため、公式の物販には欠かせません。商標権侵害の放置は海賊版の横行を招きます。
公式ロゴが生成される例は枚挙にいとまがありません。
DanbooruはNovelAIと無関係で容認も支持もしないと表明しています。しかし最新の投稿までデータセットに入れられて次々と更新されており利用される形になっています。
削除する方法は昨日書きましたが、一度製作された生成AIからは削除されません。またDanbooruはpixivからの転載が目立つため日本で反発を受けていますが、多くの画像投稿サイトで同じ問題が起きています。
権利問題が明確に整理され、人を傷つける悪用防止策が整うまでは今後使うつもりはありません。自分は悪用しなくても推進側に数えられ、数の力で暴走させたくないからです。