勝手に絵を使われない権利がない | 牧村しのぶのブログ

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お金さえもらえれば何でもやるというわけではありません。

多少支払われたところで、やりたくない仕事はあります。

 

90年代にテレクラが流行っていました。電話ボックスにチラシが貼ってあり、そこに漫画の絵が無断で使われていました。

「美味しんぼ」の栗田ゆう子の絵をよく見かけました。

レディースコミックの絵も使われていました。

画像検索で見つかったものです。右のカラーは当時トップクラスの先生の絵です。仕事として引き受ける理由はありません。

無断で使われたのでしょう。

その気になれば訴えることができます。

しかし画像生成AIで多数の作家の絵を使えば、特定の誰かの絵に似てはいないため誰も著作権侵害で訴えることができません。

 

誰の絵も使われているのに誰も使うなと言えません。

ポルノに限らず政治的に受け入れられない作品に使われることも拒否できません。漫画の絵を使ってほしくない広告もあります。

還元すれば良いという問題ではありません。

 

引き受けたい人に依頼すれば済むことですが、生成AIを使った方がコストを下げられます。データが少ないと生成結果の質は低下します。それでは困るので作家に拒否権を与えようとしません。

 

批判を浴びたStability AIがStable Diffusion3.0から学習を拒否するオプトアウトを認めたので私も申請しました。

しかし従来のStable Diffusion、別の生成AIツールにばらまかれたデータは消えません。

データセットの中身を公開していない生成AIツールはクリーンではありません。個人の追加学習分にも何があるかわかりません。

Stable Diffusion以外なら良いということではありません。

 

この漫画はオプトアウトのやり方も含めて問題点をわかりやすく解説してくださっています。ご参照ください。