虐待、快楽殺人から子供を救う漫画 | 牧村しのぶのブログ

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漫画「僕だけがいない街」が実写ドラマ、映画、アニメも公開

されました。私は漫画とドラマで見ましが、良作です。

 

 

タイトルから主人公が犠牲になる話かと思いました。

ネタバレになりますので全部は書きませんが、確かに友達を救うために身を捨てる行動を取り、重い代償を払うことになります。

 

子供を虐待する親、快楽殺人犯と闘う子供の勇気と正義感と

行動力に心を動かされました。

ドラマ版の子役の演技力の高さ、魅力も大きく貢献しています。

 

お話はよくあるタイムリープもので、主人公は成人しています。

過去の事件を知っていて、その前に戻ったから行動できます。

 

しかし魔法を使えるわけではなく、誰にも理解されずに

一人で被害者を助けなければならない絶望から始まります。

 

シリアスな重い内容をファンタジー、サスペンスとして

読者を引き込むように巧みに構成して成功していると思います。

漫画、アニメ、ドラマ、映画、どれからでもぜひご覧になって

下さい。

 

児童虐待の被害者、犯罪被害者側から描かれた漫画はたくさん

あり、被害者自身が漫画を描き、文章も書いています。

女性漫画には昔から多いのですが、残念ながらあまり売れない、映像化されない、ヒットしないため認知されていません。

少年漫画からアニメ化され評価された作品があることを嬉しく

思います。

 

私自身が直接話した限りでも、漫画家になった人は何かの

被害経験のある人が多いのですが、その経験も、やりたい表現も人それぞれで、一括りにはできません。

 

商業は制約があり、失敗と悩みの連続になるかもしれませんが、短い間でも相性の良い編集者、編集部と出会えたら、チャンスを

生かして頑張ってほしいと願っています。