私の身体的特徴は、仕事がら手が分厚い。
私の妻となる彼女達は皆、指が長かった。
「あなたの指、短くて赤ちゃんみたい」
そう微笑う君は美しいけれど、とても意地悪だから苦手だったのに…。
君の言う通り、結婚して良かった。
子をなせない僕を父親にしてくれたのだから。
そう言う僕を見る、泣きすがる君はやはり美しかったけれど、
僕の方が先に禁煙に成功すると、意地悪い君に戻ってしまったのには困ったな。
あの日、全て流されてしまった。
私を残して、君とお腹の子は今もあの海にいる。
日が昇ると捜し求め彷徨い歩き、日が沈むと後を追いたくて海に入るけれど諦めきれず朝日を迎える日々。
数ヶ月後、私の前に立つ同じ名を持つ彼女。
同じくらい美しく、そして意地悪い。
困った事になりそうだ。