中国語原書64冊目《私家侦探》紀蔚然 | 中国語と海外ドラマの日記

中国語原書64冊目《私家侦探》紀蔚然

《私家侦探》紀蔚然



久々に原書読み終えました。

 

読みかけがたくさんあるのですが、読み終えるのが大変なのですよね。


時間かかる上に、読む間隔が数日でも空いてしまうと理解が完全じゃない故それまでのストーリーを忘れてしまい読み直す必要があり、なかなか進まないのです。でも今年はすこし頑張って読むつもりです。なぜなら本を選んで買う過程が好きなので、買うためには読まないと!

 

ということで、63冊目に続き、読みやすい台湾ミステリです。

 

【ストーリー】

舞台は台北。

主人公は大学で演劇を教えていたが性格、酒癖、精神的に問題があり辞職し、私立探偵を始めた呉誠。はじめての事件を解決する一方、台北では連続殺人事件が起きており容疑者として巻き込まれる。警察に疑われながらも事件の真相を調べていく。

 

【感想】

主人公の呉誠の一人称なのだけど、とにかく性格が偏屈で、自分語りが多く、話が回りくどい。ストーリーを追おうとしても脱線して過去の失敗談や家族との確執や持論を展開したり、その他比喩、うんちく、豆知識、文学知識をちりばめるので本筋がつかみづらい。

 

前半1/3までは結構うんざりしながら読んでました。主人公に感情移入できずがまんしながら読み進めると、半ば過ぎからストーリーが動き出し、それに合わせてた読書も進みます。そして、これまでの性格の悪さも意味があるような気がします。

 

ミステリといっても、トリックや犯人捜しにそれほど驚きがあるものではないので、あくまでも捜査過程の混乱した様子を楽しむものになります。あと、この性格悪い主人公の気持ちの変化もちょっとエモいのです。最終的に嫌いじゃなくなってる不思議。

 

何冊読んでもやっぱり慣れない繁体字。読み終えるころにやっと見慣れても、次に手に取る台湾本ではまたリセットされてしまうでしょう。1ページ目こそ辞書引きまくりましたが、後半はまったく引かず。

 



今回、翻訳を後追いで、読みました。原書1章読んだら翻訳1章読んで確認しました。完全にわかりやすいところは日本語は飛ばしたところもあります。日本語訳があるからこそ、原文読むときに、これって日本語でどう訳してるんだろう?と考えて答え合わせしてみるという楽しみもありました。

 

ちなみに、この本の翻訳者さん、以前一度中国語原書会でご一緒したことがあるような記憶が。Ayumiさん主催の原書会で10年くらいは前になるでしょうか?この会では、63冊目の翻訳をされた稲村文吾さんにもお会いたし、思い返せばプロが排出される伝説の原書会だったのかな。それを確認するために久々にAyumiさんの当時の原書のブログ拝見したらなんだか胸熱でした(結局翻訳者さんが私の記憶の方かどうかは、ブログではイニシャル表記だったため定かでありませんでした)



 

Ayumiさんは今ほどSNSの盛んでない時代に中国の書店巡ったレポや中国語学習、中検一級への取り組みの様子などを詳細に紹介してくださっていて当時も夢中で読んだけど、今も全然色あせてないのがすごい。

 

ちなみにこの本を手にしたきっかけはチュー太郎さん主催の原書会で、翻訳版を紹介されていた方の影響です。原書会、やっぱりいいですね。