中国語原書60冊目《倾城之恋》张爱玲
テーマ: ・中国語原書
ついに、読み終えました。
9つの作品からなる中短編集です。
・第一炉香
・第二炉香
・茉莉香片
・心经
・封锁
・倾城之恋
・琉璃瓦
・金锁记
・连环套
長かったー!!
2018年05月30日のブログで読んでますって書いてるから、約3年かかりました。1年以上はかかった感があるけど、まさか3年とは自分でも驚き。
ここまでかかったのは、自分の中国語レベルではかなり難しいからです。
辞書にない語が多い、戦時中の上海や香港の上流階級の生活様式にかかる語を知らない、登場人物の行動や思考が理解できていない。
でも、3年間も時間を置きながらでも完読までいけたのは、作品の魅力です。
男女のしゃれた会話、駆け引き、複雑な心情、映画のようにシーンが目に浮かぶ緻密な背景描写が、短い文章の中にギュッと凝縮されていて、まるで、おいしいワインを飲んだときの濃厚で華やかで心地良い高揚感。前回の劉震雲がハイボールだとしたら、こちらは断然赤ワインですね。
お気に入りの文章をいくつか。
张爱玲の世界に一気に引き込まれる、《第一炉香》の冒頭部分
请您寻出家传的霉绿斑斓的铜香炉,点上一炉沉香屑,听我说一支战前香港的故事,您这一炉沉香屑点完了,我的故事也完了。
表題作《倾城之恋》の最初では、
宝络(義妹)のお見合い相手とダンスをして縁談をぶち壊した白流苏(主人公・バツイチ)が、自分を責める親戚たちの声を聞きながら、こっそり思うこと
可是她知道宝络恨虽恨她,同时也对她刮目相看,肃然起敬。一个女人,再好些,得不着异性的爱,也就得不着同性的尊重。女人们就是这点贱。
そんな白流苏もプレイボーイのセリフや態度に翻弄されます。
とても短いけれど、一編の映画のようで好きな作品《封锁》から、妄想女子の気持ちわかるわ~
近视眼的人当众摘下眼睛子,翠远觉得有点秽亵,彷佛当众脱衣服似的,不成体统。
第一炉香、倾城之恋、封锁については邦訳が出ています。
日本語で読むと作品の素晴らしさが細かいところまでわかります。このレベルで読めたらもっともっと张爱玲の世界にはまれると思います。
・さすがは上海人(前書きっぽいもの)
・傾城の恋
・戦場の香港
・封鎖
・囁き
・沈香屑 第一炉香
・中国が愛を知ったころ
・同級生