先週,情報処理技術者試験の春期試験の合格発表がありました。
いつものことなのですが…この発表の後,一気に論文添削の問い合せや申し込みが増えます。合格した人は「ここで一気呵成に!」という意気込みで,不合格だった人は「今度こそ」という想いで。
申込=期待=自分への評価だと考えているので…本当に嬉しいことなのですが…年々勢いが増してきていて…試験まで3か月前の段階で,昨年の最終申込人数に達してしまいました。このペースでいくと,早めに締め切ることになると思います。申し訳ありません。
ただ…
本気で合格したい人,しなければならない理由のある人のリクエストには可能な限り応えていきたいとは思っているので,そういう人はご安心を。
と言うことで…
次の試験に向けて…(ちょっと冷静になった頃だと思うので)今一度「資格の使い方」,「資格の価値」なんかについて考えてみましょう。
資格って…所詮「資格」ですからね。
いくら資格を持っていても…「最低限必要な知識を持っている可能性がある」程度のもので,その道の経験者に敵わないのは当然のこと…仕事ができるわけでもないですからね。
「資格」そのものに価値なんかないんです。
ようやく専門書を読めるようになったとか,単にスタートラインに立っただけで…そこから始めて…”より深い知識”と”経験”を積み重ねることで…ようやく資格に価値が生まれてきます。
資格取得後何もしなければ劣化していくだけなので。いわゆる「資格マニア」です。
だからと言って,経験だけで十分というわけでもありません。資格を否定するのもアレですが,そこをゴールにする(ゆえに取得するが目的になる)のは…ねぇ。もっと最悪。だから「所詮」という表現がぴったりだと思っています。
なお…
「未経験者が知識だけで合格しても…」という考え方もありますが(特に論文試験なんかは…),それは違うと思っています。
資格は「知識や経験の証明」として使うよりも…「便利なツール」として予習で使うのがベストだと思うので。(その方が十分な準備期間を取ることができて,その準備期間に意識しなくても自然にスキルアップできるようになりますからね。)
未経験の間に…できれば必要性を感じない時から,「資格」というツールやカリキュラムを使って学ぶのが方がベストだと思っています。
資格って…諸刃の剣
繰り返しになりますが…
資格そのものに…つまり,持っていること(合格したこと)に価値なんかないですからね。
あると思っているのは自分だけ。つまり自己満。
資格を取得する前の言動,取得の動機,取得目的,戦略,取得後の言動などと一緒になって,はじめて価値が生まれます。それが真実なら一貫性も出てくるし。いくら口ではかっこいいことを言ってても…一貫性がなければ本心が漏れ出ちゃうし。
要するに,単に自分の普段の言動や姿勢を証明するためのもの。無ければ「口だけ」と言われるようなケースに対し,あれば「証明できる」ってだけ。
なので,資格への取り組み方や姿勢の方こそ大事なんです。
資格取得が目的で(ゴールで)…取得後にその分野のさらなる向上を目指さなかったり,取得数だけを目的にしていたら…それは「自慢したいだけ」,「資格マニア」だと思われます。
それどころか…資格が単にハードルを上げるだけのものになることも。「そうそう,この前むちゃくちゃおもろいことがあってな…」って会話を切り出すのと同じ 笑。ハードルを自分で上げているだけのもの。
だから「動機」は,ほんと大事ですよね。
自慢したいだけじゃなく…
「部下を守るために,顧客に対して発言力を強めたい!」とか「家族を守るため…」,「子供を守るため…」,「顧客の期待に応えたい…」,「上司に恩返しをしたいから…」という動機なら…
そういう動機なら,取得後に本格的な勉強を始めるはずだし…日頃から,そういう言動で仕事をしている人のはずだし…
そしてそういう人なら…「当然,資格にも挑戦しているし…その努力の結果か。」…で,最後に「すごいな!」ってなるよね。
尊敬される人。
もう…明らかに仕事ができる人で,頼れる人だってわかる。
資格の使い方
SEプラスのSEカレッジで…「キャリア形成」や「資格の使い方」の講座をしているのですが…
そこでも言ってるのですが…
資格取得に,ストーリーや一貫性がないと…結局は使えないものになってしまうよねって。
それどころか,自分に刃を向けて襲い掛かってくることも。
なので諸刃の件。
「おいおい,そこが君のゴール? 単に自慢したいだけだったんだ…」
ってならないように注意する必要があるのかなと。
自分の場合
最後に,自分の場合は…
上記のような考えなので…資格が必要な人に,できる限り短時間で効率よく取得してもらえるように…
自分自身も受験し続けています。
具体的な理由は…
・非公開の部分が多く,実際に試してみないとわからないことだらけだから
・初見の問題を…自宅で合否関係なく解くのと,「会場」で「合否を意識しながら」「一発勝負で」解くのとでは全く違うことがあるから。
・昔取った杵柄では次の試験に対応できないから
などですね。
試験対策って,受講生の時間を奪うわけですから…その責任は重いんですよ。軽く考えては絶対にダメ。
テレビ局にコネのないプロデューサを信じて,毎日厳しいレッスンをしているアイドルがいたとして…。そのアイドルが「テレビに出て有名になりたい」って思っていたら,ほんと可哀そうですよね。
コンサルタントや,試験対策講師も…同じような責任を負っているんですよ。
大量のお金や大量の時間を使うわけです。
そう考えたら…
「試験対策をやる立場だから,受験し続けないといけない」と考えるのは自明で…やればやるほど疑問が増えて…「もっと試したい」,「もっと知りたい」って思ってしまうのが普通なんです。
今回もそういうわけで受験しました。
特に今回は仮説通りの結果だったので「会心の一撃」でした。
公に言うと…IPAに外されるので,ここでは詳しいことは言いませんが,論文添削の質を少し変えることができるくらい,大収穫でした。
受講生にはお伝えしますね。というか…それを加味して添削します。これはたぶん他の人には無理だと思うので。
ちなみに。
だから…試験対策をしていたり(期待されていたり),テキスト書いているので…「情報処理技術者試験」は受験し続けていますが,中小企業診断士や技術士は受験し続けていません。試験対策もしていないしテキストも書いていないからです。もしも…そっちもやるようになったら,もちろん受験し続けます。
結果はホームページに掲載しているので,胡散臭いと思っている人は確認を笑。
と,いうことで。
今一度,自分にとっての資格の価値を考えてみるのも,今の時期いいかもしれませんね。
「誰かのために」っていう取得動機…
最高にかっこいいと思います。