”仕事ができる”ことと,”金を稼ぐ”こと,”資格”を持っていることは…多少の相関関係はあるものの,本質的に別モノだ。

 

資格を持っていても仕事ができない人もいれば,その逆もいるし…仕事ができても金を稼げない人も,その逆も…資格を持っていても金を稼げない人も,その逆もいる。

 

それは,もちろん…それぞれ必要な能力に違いがあるからなんだけど…それだけじゃない。

 

 

自分の能力の使い方が違っているケースも…よく見かける。

 

特に,仕事ができることと,資格試験に合格すること。

 

せっかく必要な能力を十分に持っていても,それを同じように使っていては…成果が出せない(合格できない)。

 

この二つは,本来強い相関関係があるはずなのに…特に,IT業界では強いはずなのに…どっちかが上手くいってない場合は,能力の出し方を変える必要があるのかも。

 

確かに…人間性,ひとがら,魅力,コミュニケーションスキルなんかや環境の違いもあるっちゃあるけど,それを凌駕するスキルがあれば成立するわけだしね。この業界は。

 

 

能力の使い方…

 

端的に言えばこんな(↓)感じ。

 

仕事で必要な能力:100点が必要。多少時間をかけても100点が求められる。ケアレスミスNG。

 

資格試験に合格する能力(特に,情報処理技術者試験):60点でいい。ケアレスミスOK。それよりも解答速度。スピード。

 

余談だけど…金を稼ぐ能力は,そういう意味では120点,200点を目指すってことだと思う。個人的には。いくら時間をかけても。なので長期戦略が重視される。100点以下で金を稼いでいる人も多々いるけれど…長く続かなかったり,詐欺だと言われたり,誰かに依存していたり,リスクが大きかったり…ややこしいこと多し。

 

で,

 

これらを使い分けていないケースが案外多い。

 

自分の性格に任せていると…慎重派の人は試験では時間が足りずに玉砕するし,適当な人は(試験には合格しても)仕事で痛い目に合う。

 

 

 

こういうことを…試験対策本(データベーススペシャリスト)の原稿を書きながら思った。

 

特に,データベーススペシャリスト試験が顕著なんだよな。

 

実務では…ちょっとした設計のミスが大変な事態になる。だから慎重に,慎重に,さらに慎重に設計しなければならない。

 

でも,試験の時に…そんなことをしていたら時間が足りないのは明白。

 

試験では…ケアレスミスOK,直感で解いていかないと。候補キーも主キーも,リレーションシップも属性も…SQLの穴埋めなんかも…“まずは”全部直感で解く。


結合は左外結合とか、SELECT文が二つあればUNIONとか、候補キーは二つとか...確率の高い仮説から入るのは重要(笑)。

 

そして…時間的に余裕があれば,ケアレスミスをなくすために優先順位を決めて…王道の解き方で解く(問題文中の記述を探す)。つまり検証する。


王道を知らなければ仕事には直結しないので、解答根拠の強さは重用なんだけどね。何でもかんでもそれ追求するのは得策ではない。


午前問題の計算問題なんかもそうだよね。過去問題を再出題している問題だったら、計算するのは時間が余った時や、確実に正解しないと60点に行かない時。もしくは100点を狙う時だけ。


もちろん長期的には…資格取得を通じて、究極の生産性を手に入れる(全ての必要な処理を試験時間内に行える速度を会得し、仕事の生産性も高める)ことが必要なんだけど…


それはまだ先の話でいい。


合格するだけなら、そこまでしなくてもいい。

 

 

 

本質的にこういう試験で良いのか?

 

ってことは,いつも気になるんだけれど…そんなことは,環境を用意する側が考えること。

 

受験しない言い訳にもならないし,受験生自信が理解して使い分ければいいだけ。

 

TPOに合わせたファッションと同じ。

 

それが柔軟性であり,環境対応能力になるので。

 

 

 

資格試験に挑戦しているのに,思うような成果が出せていない人は…

 

この年末年始に…

 

・ケアレスミスを恐れて慎重になりすぎて時間が足りなくなっていないか?

・上記を踏まえて,直感的に解答する練習をしているか?

 

を,今一度考えてみることをお勧めします。

 

”能力の使い方が違う” というのは ”その練習方法も違う” ということなので。

 

そういう試験対策をしないとね。

 

でも絶対に仕事で使っちゃだめよ。

 

 

 

ちなみに…

 

自分の能力を高く見せようとする人は…意識して…この能力の違いを駆使する人が多い。

 

即答,断言(断定)を仕事で使う(笑)。

 

解答に困窮する質問を受けた時に「あなたはどう考えますか?」と逆質問したり,主観的表現(相対的表現)を巧みに利用したり…即答した後に,急いで戻って調べて…その後軌道修正したり…

 

他にも…逆張り,後出しじゃんけん,専門用語・流行り用語(意識高い系が使う言葉),フォーマルな表現,そういう言葉に見合った態度・服装…

 

いろんな ”技術” がある(笑)。

 

ただの技術なので…こんなのだけに頼っていると,いずれ化けの皮がはがれて信用を落とすことになるので,使わない方が良いのにね。

 

思考は言葉に,言葉は行動に,行動は習慣に…一貫していることが信用を創る。

 

 

以上!

 

執筆しながら思ったことでした。

 

対策本(データベーススペシャリスト)にも,これは書こうと思っているんだけれど…

 

刊行は3月なので,方向性を決めるためにも…先にお伝えしておこうと思いました。