コロナも落ち着いているのか,いないのか…わからないけど(個人的には落ち着いていると思う),今や議論の中心は経済活動。都知事選の立候補者も様々な景気対策を唱えている。
でも…何だろう? この違和感。
客足が戻らない理由はいたってシンプルで…(先行者のデータに基づき行動する)アーリーマジョリティが情報不足で動かないだけ。
「これしておけば…無症状感染者がいても大丈夫なんだ」
って思えないからリスク回避しているだけ。
まだ,安心してギリギリを攻められない。ギャンブルになっている。マジョリティは…原則,ギャンブルはしないからな。
少なくとも…僕が欲しい情報が全くない。
■ 今の情報の粒度だと…
イノベータ理論の言葉を使うと…今の経済(もしくは消費)は,ようやくアーリーマジョリティが,安全だと確認したところだけを対象に動き出した時期。
で,せっかくアーリーマジョリティが動きだしたのに,公表されている情報の粒度が大きすぎるから,その単位でリジェクトされている。
「東京で感染者が多い」としか知らされないから「じゃあ東京に行かない」,「東京からは来ないでほしい」ってなっているし,
「接待を伴う飲食店で感染者が…」としか知らされないから「じゃあ,そういう全てのところには行かない」ってなっている。
「会食でクラスタ」としか知らされなければ「会食はストップだな」と…その単位で回避せざるを得ない。感染対策の有無関係なく。
なので,経済回すなら…この単位をもっと細かくしないと。というか…してほしい。
感染者が出た時こそ…
・…の対策をしていなかったからうつしてしまった
・…の対策をしていたので,…してもうつしていない
”対策”と”感染”の因果関係単位で詳細に調査分析して,その結果を公表すれば,それを基準にリスク回避するようになる。少なくとも俺は。
多くの企業で,社員に「…には行かないように」とくぎを刺されている以上,その局所化をしない限り,どんな景気対策をしようが(延命はできても),根本的解決にはならないんじゃないかなと思う。
リスクは局所化するのが基本。
していないのか,した結果公表できないのか…
■ 専門分野のインフルエンサーに情報公開する
それに…今の時代は,多少難しい話でも…国民はついてくるからな。というより…欲しているし。
専門分野にもインフルエンサーはいるから。時に専門家会議やテレビに出ている専門家よりも優秀な専門家もネットに降臨してくるから。
だから,”対策”や”ガイドライン”という”結論”だけで「これしておけばいいんだ!」っていう公表の仕方は…
今は逆効果。大きな不信感を招く。
ネット上における”情報の量”は…ほぼほぼ上限が無いわけだから,”信用の輪”ではないけれど…各専門分野の階層化されたインフルエンサーを意識した粒度で情報公開(置いておくだけでもいい)をしないと,結果…マジョリティは動かせない。
■ 「…ではうつりません!」
具体的には…
京都大学の宮沢准教授が…折に触れ「無症状感染者が居ても,…していればうつりません!」って言いきっているけれど,そういう情報が絶対に必要。
俺は,そこが一番知りたい。
無症状感染者がいないことを証明するより,居ても対策を取っていたら大丈夫だという情報が。
それこそがwithコロナの真髄では?
ただ…宮沢教授も全ての感染者の一次情報をベースに(調査分析)したわけでもないので根拠が乏しいから,感染者や濃厚接触したのに感染しなかった人を,これから徹底的に調査してほしい(準教授は,それを今後検証していくことを推奨している)。
舞台なんかは…隣同士空ける必要はなく…1列飛ばすだけで十分だと思う。それで稼働率は50%になる。しかも見やすくなるので,それならチケット代を倍にしてもいいのでは?…あるいは,その会場で任意の募金をすれば…黒字化可能だと思うんだけど。
■ アーリーマジョリティは探している
でも,もったいないよな。アーリーマジョリティも,自粛疲れで,これまでの日常に戻したくて探しているのに。安全なところを。
・おいしいものを食べたい
・観光したい
・遊びに行きたい
・美容院に行きたい
・医者に行きたい
この分野だと,アーリーマジョリティだと思っている俺も,探しまくっている。感染対策をネット上で徹底的に比較しながら,ひたすら探している。
で,自分なりの基準で安全だと確認できるところには行っている。
でもそれは…ガイドライン以上の感染対策が出来る体力のあるところだけで,まだまだ多くの選択肢はない。
だから,リスクの局所化が必要。
そこは政府や自治体しかできないわけなので,何とか頑張ってほしい。リスクの局所化こそ,最大の景気対策だと思う。
ITエンジニアのための【業務知識】がわかる本 P.058より