共通の敵,引き立て役,悪役,異物,汚れ役,叩かれ役…

 

昔から,誰かを“相対的に”良く見せるためや,まとまりを演出するため,嫌なモノ見たさで注目を集めるためなどの目的で用いられてきた手法。

 

役割分担でもあり,企業経営でも普通に用いられている。

 

よくある普通の組織作り,チーム作りのノウハウ。

 

 

ほら。ニコニコして社員に対しては絶対に怒らない社長と,社員に厳しく注意や嫌味しか言わない副社長がいたりするよね。校長と教頭なんかもそうかな。案外裏で…社長が副社長をこっぴどく叱っていたりするやつ。それそれ。

 

で。

 

最近のテレビを見ていて嫌になるのは…バラエティで,このキャスティングを…“チャンスを餌に”して持ち掛けてるんだろうなって思えること。

 

映画やドラマ,演劇の世界なら“演じている”ってわかるので,その俳優さんにマイナスは無いけれど…バラエティでこれをやっちゃうと

 

…その芸能人は使い捨てになる。

 

今はネットで叩かれまくるからな…最悪,精神を病むことになる。

 

テレビは,視聴率が稼げて…番組トータルでプラスになって,そのプラスが大きい方がいいわけだから,狙い通り。

 

事務所も大抜擢で仕事が入るから大喜び。

 

結果,その芸能人だけが病む。

 

 

 

 

で,…そういう役回りを…

 

「これは,君にとってチャンスだよ!」

 

という言葉で,あまり世間に知られていない人に,“チャンス”を餌に誘惑をもちかける。

 

で,営利主義の事務所だったら,それで金になるし…つぶれたらまた探せばいい的に考えてるのかな?

 

「よし,これはチャンスだ。頑張れ!」

 

と送り出す。

 

そして,大人たちは…

 

「期待してるよ!思いっきり暴れて!」

 

って感じで煽って,盛って,大袈裟にキャラを作らせようとする。


いわゆる“やりがい搾取”

 

 

 

まぁ…そういう素養があると見込まれてオファーが来るわけだから,仕方がないと言えばそれまでだけど…ただ,そこを誇張するような指示や,そういう編集(切り取られ方),そういう見せ方をされると,利用される方はたまったもんじゃない。

 

 

 

で,これは何もテレビの世界だけじゃなく,いろんな仕事で多かれ少なかれあること。

 

チャンスはこういう形でくることが多いのも事実。

 

・急きょ空いたポジションがそれだった

・そこのポジションは誰もやりたがらない

 

などの理由で。

 

で,こういうチャンスが目の前に出てきた時にどうするか??

 

究極の二択なら…

 

A)長期的に考えて自分が損をするので,自分らしくいるために断る

 

B)チャンスを掴むために,自分を殺してキャラを作って,そのチャンスをとりあえず掴む

 

 

 

 

 

でも…ベストは,この折衷案だと思う。

 

というか,この二択は究極だけど…あらゆる仕事が…相手の期待と,自分の希望との間での折衷案を探るところが重要なんだと思う。

 

で,例えばこの究極の二択なら…

 

そのチャンスをとりあえず掴む。そして期待することを聞く。快諾する。でも,本番ではその期待には応えない。その後干されることを受け入れる。

 

つまり,干されることを起点に,その後干される可能性を減少させる策を考える。

 

具体的には…

 

・相手の表面的な期待から,真の期待を見抜く(なので相手の期待には敏感でないといういけない。鈍感だとここができない)

・その真の期待を満足させることと,自分らしくいることが結びつくかどうか…接点を考える(ここに知識や経験が必要になる)

・長期的視点(10年スパン,人生100年など)で,一時的に干されることを受け入れるかどうかを考える(断るのではなく)

 

で,自分の決めた方法で勝負する。

 

例えば…「毒吐いてほしい」という期待に対しては,快諾した上で全く毒づかない,あるいは…時にすぐ負ける。折れる。納得する。できればカットできないシーンを想定して。あるいは,逆に冷静なコメントって感じで(笑)。

 

その仕事を終えた時に…ディレクターから無視されること,嫌味を言われること,もう使わねぇからな,期待外れだ!という言葉を浴びせられることを想定しながら(笑)。

 

で,予め,干されることを受け入れる覚悟をしておく(笑)。

 

 

 

 

でもこれが…今の戦い方だと思うんだよな。

 

逆に,チャンスを利用する戦い方。

 

そもそも戦略って,勝つこと前提に考えるんじゃなく,負けた時のことも考えるからな。

 

「これを逃すと,後が無い!」とか「爪跡を残さないと!」というのはナンセンス。それは一昔前の考え方。

 

なぜなら…

 

・結果オーライでいい方向に転ぶことがある

 (ドラマの中の主人公はだいたいこれ 笑)

・長期戦略(人生100年,10年先を見据えたこと)。肉を切らせて骨を断つ

・SNSがあって,それをきっかけにいくらでも自分自身で発信できる。そのチャンスを違う形で利用できるし,挽回もできる。

・メディアも多様化している。捨てる神あれば拾う神あり

 

 

目の前のチャンスは絶対に掴む!

 

でも,何事も最初が肝心。

 

だから,時に期待を裏切ることを前提に戦略を組み立てる。自分らしくいるために。

 

良心的な振る舞いを気にするなら,常に「期待には応えられないかもしれませんが…」と最初から言っておけば大丈夫。その場合は「大したことなかったな」っていう評価で終わるだけだから。

 

多様な選択肢がある今の時代,執着は時に破たんを招く。

 

 

 

 

で,余談だけれど…

 

自分は昔っからそういう感じで,何かと機会を利用してきたんだけど…敬愛する乃木坂46にも,そういう部分が見られるんだよな。

 

乃木坂46の場合は…

 

・運営がその部分にむちゃくちゃ敏感(守る)

・爪跡を残そうとしない。他を押しのけて前に出ない

 

だから時間がかかったし,これだけ人気なのに,あまりテレビにも出られないけれど…それだからこそファンが安心してどんどん増えているんだと思う。

 

正に長期戦略。

 

だから,彼女たちの躍進は卒業後も,そのまま続く。

 

卒業生も,これからさらに飛躍するはず。きっとテレビではないと思うけど。

 

そもそも今や,テレビに出ている芸能人だけが勝ち組じゃないからな。今,テレビにしがみついていると先が怖い。

 

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記事とは無関係。全労済ホール。ゲームしませんか?の吉田綾乃クリスティーさんはかっこよかった!また舞台みたい!