チケット不正転売禁止法が，今日（2019年6月14日）施行されました。
正式名称は「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」（平成30年法律第103号）。
本法律は，2018年12月8日に可決成立し12月14日に公布。そのちょうど半年後の6月14日ですね…施行日は。
法律の条文は，こちら（e-Gov）
日本法令索引にはま登録されていませんでした。
/概要
ザックリ言うと…基本は，不正転売そのものの禁止と，不正転売目的の譲受の禁止（不正転売目的の仕入行為の禁止）です。違反者は１年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又は併科になります。
要するに，チケットをオークションや転売サイト，SNS等で“売る”時には注意しないと逮捕されるということです。
自分で使用する目的で“買う”ことは，今回は規制されていません。高額チケットを買う場合は…それがテンバイヤーだとわかっていたらひょっとすると何かの法律に引っかかるかもですが，少なくとも…この法律では問題ありません。法的にはね。でも，買うにしても定価相当にしておくのが（購入がテンバイヤーからではないので）ベストだと思います。後述するようにトラブルに巻き込まれないようにするためにも。
まぁ…定価以下の販売が，テンバイヤーの一時的な叩き売りだったらあれですが…。
それと…
全ての“チケット転売”を対象にしているわけではありません。不正な転売だけになります。次のような条件に合致するケースですね。
①特定興行入場券であること
チケットに「譲渡禁止」って書かれていて，特定日時の座席指定で，かつ入場資格者又は購入者の氏名や連絡先が印字されているものです。実際，乃木坂46のライブや舞台のチケットの多くが今ではそうなっているので、もうすでにご存知の方も多いのではないでしょうか。
②業として行う販売価格を超える有償譲渡
で、そういうチケットを、販売価格を超える金額で，かつ“業”として（つまり仕事として）販売するケースです。つまり、利益を得るかたちで何度も繰り返し転売しているというケースです。法律上は、業として行っていれば（意思があれば
）１回でもアウトだし、業としてで無ければ複数回でもセーフになるそうなんですが…“意思の有無”って確認するのが難しいので、意思はどうあれ、利益を得るかたちで繰り返されていると“アウト認定”される可能性が出てくるので注意が必要でしょう。
文化庁のサイトより引用
/詳細は下記
詳細は…下記のサイトでチェック！
・政府広報オンライン 暮らしに役立つ情報「チケットの高額転売が禁止に！」
施行されたら話題になるので，Ｑ＆Ａサイトなんかも充実と思います。
/個人的感想
で，個人の感想としては…待ってました！です。
というのも…昔は自分も，（決して業としてではなく）悪い席の時にはオークションで売って，良い席を買ってたりしたんですが，乃木坂46の運営がそれを禁止行為にしたタイミングで止めました。
ほんとにどうしても行けない時で，リセールが無い場合や発券済みの場合は，オークションで売ったりしますが定価以下にしていました。
ただ…いい席を定価以下で出品したら，すぐにテンバイヤーらしき人に買われちゃうんですよね。しばらくして…なんか同じような座席のものが超高額で売られていたりするので…思い過ごしかもしれませんが。
それに…アンダーライブの倍率が高く，年々当たらなくなってきていたので，これで当選しやすくなってくれると嬉しいですね。まぁ人気も上り坂続きだったんで，仕方がないと言えば仕方がなく…嬉しい悲鳴なんですけどね（笑）。
あるいは…
ライブでも…キャスト先行や前方席確約のチケットが増えてくれたり，ダイナミックプライシングや，興行主の行うオークション制度なんかも増えればありがたいのですが，どうでしょう。
生体認証使って本人確認を強化して，個人情報を付加して行って…ＡＩで分析した上で優良ファンの優遇制度なんかも面白いかも。avexは，ファンの熱量を数値化して仮想通貨やFintecを絡めながらファンの囲い込みをやろうとしている（エンタメコインかな？）ので，同じように乃木坂界隈もやってほしいです。
後はそうですね…
この法律がザル法だという人もいますが，そうではないと思います。
というのも…この法律があることが周知されるにつれ，まともなファンの通報が増えるはず。今でも実は，ファンはよく知っていますからね。それによく通報しているようです。高額で出品されているチケットに関しては。
また、転売サイト等で買う側も...（違法ではないけれど）注意しないと…しばらくは詐欺や恐喝が増えるかも。
「転売したら違法…だったら詐欺も変わんないじゃん！」って開き直って，詐欺してとんずらが増えるかもしれません。
あるいは…この法律は知っているけど，詳しいことは知らない人をターゲットに，「買った方も，ばれたら処罰されますよ」みたいに嘘言って恐喝してくるかも。
今後の動向としては...転売サイトがどうなるのか？ですね。どういう動きをするのか？
チケットキャンプが撤退して，チケット流通センターやチケットストリートがそのポジションに付きましたが，これらの転売サイトがどう出るのか見ものです。しばらく注視したいと思います。