システムアーキテクト 平成30年午後Ⅱ問1

「業務からのニーズにこたえるためのデータを活用した情報の提供について」

 

/感想

 

H28に出題された“移行”は予想通り出なかったけど,システムテストは今年も出なかったか…残念!

 

しかも問1は,初めての切り口じゃないかな?ある意味,ITストラテジストの視点だし,現場からの情報加工依頼という点ではITサービスマネージャの視点でもある。ちょっとシステムアーキテクトっぽくない。

 

過去問題にもこの切り口は無かったんじゃないかな。システム開発が絡んでないもんな。近い所では,H17問1。DWHの設計の問題なので。他にはない。なので新規の問題だと考えればいい。

 

仮にこの問題を選んだ人は,誰も準備できていないわけだから,問題文に忠実で,具体的かつ第三者に通じる説明(いつ,誰がなど)を心掛け,可能な部分に数字を入れればクリアできると判断していいだろう。

 

● 設問ア

 

業務概要,システム概要は事前準備していたものがそのまま使える。

 

後は,そこに,業務部門(具体的な部門を書く)から発生したニーズ(これも具体的に書く)を書く。「どのような情報の提供を検討したのか」は設問イで書くので,ここで求められているのは,あくまでも業務部門のニーズである。

 

問題文では「顧客の行動記録に基づき受注可能性が高い顧客像を絞り込みたい」とか,「宣伝方法と効果の因果関係を可視化したい」,「宣伝効果を最大にしたい」などが例に挙がっている。このレベルで,あくまでも業務部門が知りたいことを書くこと。

 

後述する設問イにも書いているが,設問イで客観性のある業績評価指標になるようにするため,ここでは主観的でアバウトなニーズの方が書きやすいと思う。ここで客観性のある具体的で詳細なニーズを書いてしまうと,設問イの分析が不要になる。

 

● 設問イ

 

① ニーズの分析

問題文の例を見る限り,「宣伝効果を最大にしたい」というニーズから,「どんな情報の提供が必要か?」という結論になっている。これで1000~1200字のうち4割程度必要なので400字~500字書く必要がある。加えて,設問では分析結果ではなく「どのように分析し…」という点,すなわちプロセスが求められている点を考慮すると,「どのように分析して,どのような分析結果になったのか?」まで書く必要があるだろう。

 

とは言うものの…KJ法やパレート分析等は合わない。加えて,この分析結果そのものが,最適な業績評価指標(KPI)や先行指標だったりするので,そちらからのアプローチが必要になる。言うなれば,現場からのニーズは主観的なものであり,そこに客観性を持たせるために最適な指標に変換するという感じである。

 

したがって,ここは最適な業績評価指標を調べたということにしてもいいし,自分の知識をぶつけてもいい。BSCの概念を使って因果関係でつなげてもいい。

 

② 情報の提供

そして次に具体的に必要な情報について検討する。①と違うところは問題文を見る限り,検討結果が具体的な情報になっていることから,検討においては,既存システムのデータレイアウト他,各種設計書を調べて…ということになる。つまり,ここでシステム面からのアプローチになる。

 

● 設問ウ

 

ここで,データレイアウトに加えて,データの中身をチェックして課題を見つける。問題文の例では「来店者数のデータが無い」というのはデータ仕様を見ればわかる課題,「年齢層の入力がされていない」という既存データの内容を見てわかる課題,どちらでもいいようだ。

 

で,課題を書けば,それに対応する合理的な工夫を書けばOK。問題文の例を判断基準にすると,別の属性から導出するのもOKで,部分的に利用するのもOK。また問題文の「一定の数値を乗じた値」の合理性のため,一定期間現地調査するというのでもいいだろう。

 

● A評価のポイント

 

新規の問題なので,そこそこミスがあっても大丈夫だと思う。例年通りであれば,合格基準は低いはず。

 

まず,具体的に書くこと,第三者に伝わる表現にすることなど,論文の基本的な部分をクリアすること。業務部門や業務そのものを具体的に書けるかどうか,業績評価指標(つまり現場のニーズを満たす指標の提供…設問イ)も具体的に書けるかどうか,そこをクリアしないといけない。

 

その上で,この問題だと設問ア,イ,ウのそれぞれに書くことの切り分けが難しいので,そこに正確に反応できていれば,間違いなくA評価になるだろう。

 

①設問ア…現場のふわっとした主観的なニーズ

②設問イ…最適な業績評価指標に変え,システム面から必要な情報を決定する

③設問ウ…蓄積されているデータ面含めて課題を示し,その課題をクリアするアイデアを出す。

 

 

 

/モチベーションアップのお供に!

 

まずは“推し”を見つける。年齢差を気にする人は自分の年齢に近い人を。まぁ…アイドルというより女優やタレントだから,そんなの考えなくていいと思うけど。自分は自分。

 

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