今日も〜安定のここ!
快晴〜! 恋するヴァンパイア日和〜!
この週末…桜満開で,かつ全国的にいい天気なのでゆっくりオフを過ごされる人が多いと思いますが…そんな中,残り3週間…最後の追い込みをされる受験生もいるかもしれないので…その方にプレゼント。
「情報処理教科書プロジェクトマネージャ2019」に掲載予定の記事をサキドリで。講義では話したことあるけれど,活字にするのは初めてのこと。
まぁ…いいかなって。乃木坂46の46時間テレビやってるから,なんか…心が優しくなっているので(笑)。昨日も結局...これ見ながら朝の5時まで仕事できたし...あ、今朝か。
https://abema.tv/now-on-air/special-plus-2
//設問イの対策の書き方//
プロジェクトマネージャが実施することって限られていて…計画にしても,進捗遅延や兆候検知時の対策についても,ざっくり3つ。まずはこれを基礎として覚えておく。
1)計画を変更する
2)体制を変更する
3)顧客と交渉する
で,もう少し具体的に書くとこうなる。
1)計画を変更する
・原因を探る
・緊急会議をする
・スコープを変えて再計画
・勉強会を開催する
・専門家入れる
2)体制を変更する
・要員を交代する
3)顧客と交渉する
これらに共通のことってわかる?
そこに合格論文にするポイントが隠されている。
//”論文に書く”は易し,”実際に行う”は難し//
いずれも…論文に書こうと思えば簡単に書けるけど,実際にやろうとすると…むちゃくちゃ難しいってこと。その”難しさ”こそ工夫が必要な部分なので…工夫した点になる。つまり設問イに書くことになる。
例を使って説明するね。
「進捗が遅れだしたので,急きょ緊急会議を開催し,知識が不足していたので勉強会を開催した。」
ここまでだったら誰でも書けるよね。実際,経験者も未経験者もたいてい書いてるし。問題文に「緊急会議を開催する」とか「勉強会を開催する」って例が挙げられていると,多くの受験生がそっちに流れていく。書きやすいので。
でも…よくよく考えてみ。あるいは経験者ならわかるよね?
ただでさえ進捗が遅れているのに,さらに作業をいったん止めて…勉強会なんてやるか?そんな悠長なこと言ってられないよな。
緊急会議は必要だけど,それでも手が止まるメンバ出てくるし,何せ召集かけたら全員素直に集まってくれるの?原価はどうするの?残業規制にはかからないのか?
専門家を入れる?お金はどうするの?運よく予定空いてて,運よくすぐプロジェクトに入ってくれて…そんな都合よくいかないよね。
要するに…
論文に書くのは簡単で…簡単すぎて対策としては不適切だと思えるような簡単なことでも,実際にやろうと思えば,いろんな制約,環境,事情などが複雑に絡み合って難しいこと…論文に書くのは,そういうところ。
決して簡単に考えているというそぶりを見せない。
//こんな風に書けばいい//
なので…
「進捗が遅れだしたので,急きょ緊急会議を開催し,知識が不足していたので勉強会を開催した。」
こういうことを書きたければ…次のようにすればいい。
「3週間ほど前から徐々に進捗が遅れだし,しばらく様子を見ていたが収束することも無く,現時点では計画値に対して95%ほどの進捗になる。現段階で収束すれば約1週間の遅れ,しかしこのままの生産性で行くと…○○工程完了は約1か月遅れになってしまう。」
→「遅れ」を,いつから検知していたのか?現段階でどうなのか?収束した場合,そうでない場合の例でシミュレーションなどを書く!
「いずれにせよ根本的な原因を把握しないといけないので,○○君はじめ状況を聞いてみた。その結果…○○についての理解が不十分だったので,いったんプロジェクトを止めてでも,その認識のズレを修正して共通の理解になるように,メンバ全員を集めて2日間集中し,○○について専門家を読んで講義をしてもらうことにした。勉強会の開催である。」
→「勉強会」を…いつ,誰が(何人ぐらいで),どういう目的で,何を勉強するのか?誰が教えるのか?具体的に書く。計画を第三者に伝える時に必要な要素を書く。
「ただ,ただでさえ遅れているプロジェクトを2日間とはいえ止めてまで実施する必要があるのか?そこはよく考えないといけない。顧客側の責任者にも説明しなければならない。
まずはコスト面。この2日間,講師費用とメンバ20名の稼働で約200万円新たに必要になる。これは弊社の持ち出し(プロジェクト外費用で工数を付ける)になることを会社側に説明して説得するしかない。ここで実施する…
次にスケジュール面。ここで勉強会をすることで,この後の生産性が当初の予定していたものに戻るはずである。そうなると遅れは約10日で食い止められるはずである。この工程で10日の遅れであれば,次工程で全員が分担すれば,月10時間の残業で乗り切れて,次工程で挽回できる。ここでのコストアップは,当初,複雑な処理の生産性の悪化目的でリスク定義していた部分のコンティンジェンシー予備費を充当すればいい。
以上より,この勉強会を狙い通り効果的なものにすれば,十分当初のプロジェクト目標を達成できると判断し,勉強会の開催に踏み切った。」
→ここ重要なところ!工夫した点と言ってもいい!
・簡単に考えていないこと
・コスト面での配慮
・スケジュール面で本当に効果があるのか検証
などを表現することで,簡単には考えていない。熟慮したこと(その経験)を伝えれば…普通に勉強会という選択でも全然違和感はない。
さらに…その他
平成13年度問2の要員交代の問題のように,新たなリスクがあることを知っているということや,しばらくはそれを重点管理していたことに触れるともっとよくなる。
で,最後に…
「今回勉強会を実施することで,今発生している問題が解決可能だという点,スケジュール目標も,予算の目標も達成できるという点を,弊社の品質管理部門のX部長と,顧客側プロジェクトのプロジェクトマネージャのY氏に説明するため,○月×日に緊急会議の開催を打診した。しかしX部長とY氏の日程が直近では合わなかったので,私が資料を作成して別々に説明して合意を得るようにした。X部長には勉強会関連費用の使用許可を(プロジェクト外の費用として),Y氏には2日間作業をストップし,十分挽回できるということを説明した。」
→ 説明責任を果たしたり,持ち出し費用の許可をもらったり。緊急会議の部分に触れてもいい。
//まとめ//
「勉強会を開催した」だけでも,設問イの1000字ぐらいはいくらでも書ける。上記の例でも長すぎるように見えるけど,それでも細部の説明ははしょっている。
実際には…「勉強会を開催する」で200~400字程度しか書けないだろうから,もっとシンプルでいいことになる。そう考えたら簡単だろう。
最後にもう一度まとめておくけれど…下記の要素を書くことを意識しておけばいい。
「勉強会を開催した」
・現状の正確な説明
・このままいったら(シミュレーション)
・原因→勉強会
・勉強会を5W1Hで詳しく
・コスト面への配慮
・スケジュール面への配慮
・段取りがベストじゃなかった時にどうしたか
・新たなリスクへの配慮
・説明と承認
こんな感じかな。ちょっと難しいかな?そうでもないのでは?逆に書きやすくなったんじゃないかな?特に経験者は。
この辺りを意識して論文書いてみるといい感じになるからね。