この時期,企業の業績見通しが続々と発表されている。
どの企業がどうとは言わないけれど…
社会人教育を生業にしていると,どうしても企業の教育に対する考え方や力の入れようが見えてくる。自分が担当している企業や企業グループはもちろんのこと,担当していない企業の情報も入ってくる。
ホームページ上で書いていることが大ウソだったり,すごく教育熱心な企業で社員を大事にしているのに,アピールしていなかったり…やっぱり教育自体に携わらないと真実は見えてこないけど…
ただ,“教育”に対する考え方と力の入れようを見ていると,その企業の将来が読める。過去のことをいろいろ言っても後出しじゃんけんになるので自重するけど,結構当たってる。
やっぱり社員教育に力を入れている企業は,長期的には業績がアップしている。
だから株をやっている人で長期保有目的の人は,教育に関する取り組みを見ればいいと思うんだけど。俺は,乃木坂関連株(乃木坂がCMしている企業)しか買わないけど(笑)。
//教育に力を入れない企業が落ちぶれる理由//
では,社員教育に力を入れていない企業は,なぜ落ちぶれるのだろうか?
まず社内に“勉強しなくてもいいんだ”という風潮が蔓延してくる。「仕事が忙しいから」という伝家の宝刀を免罪符にして,スキルアップしないことを正当化する。
自分だけならいいけれど,勉強していない分…周囲に差をつけられたり,後輩に抜かれるのが嫌だから…そのうち,勉強しないことを周囲にも強要するようになる。「え?資格の勉強?そんなのしてるんだ(笑)」と嫌味を言ったり,勉強できないように仕事を入れまくったり,まさに出る杭を打ったりということを普通にする。
結果,朱に交わればじゃないけれど…朱に交わらざるを得なくなる。
で,勉強しない奴が昇進していくと…もっと組織は弱体化する。出る杭を打つわけだから自分よりも能力の無い人間しかいないようにする。
それに,優秀な人間はどんどん辞めていく。
優秀な人間は,自分が失敗した時に…それが注意される失敗か?あるいは褒められる失敗か?がわかっている。独りで努力できるのにそれを怠っていることに起因する失敗が前者で,独学で身に付けることが不可能なことに起因する失敗が後者だ。
資格なんかは一人で努力するためのツールだもんな。そこに書いてあることも基準のひとつになるからな。
で,そこに認識のずれが出てくると…例えば,その時の機嫌次第でどっちにでも転ぶようなケースだと…すぐにその上司や先輩に見切りをつける。
「こいつの下に居ても,何も得ることはできない」と…企業外の活動で知り合った尊敬できる人に一本釣りされていく。
で,残るのは…上司の機嫌を伺うことが上手いバカばかり(笑)。そこに能力あってもな…って感じ。
この先,エンゲージマネジメントが主流になる時代に,誰が愚かな上司のために自発的貢献意欲を持つのだろう?あり得ない。
でもこれって…結局,その企業の教育に関する戦略を間違えているわけで…無能な上司であろうが,その上司に罪は無い。彼もまた被害者だから。
//時間はかかるけど…やっぱ教育は最強//
結局…時間をかけてじわじわと蓄積したスキルは,いったん歯車が噛みあって走り出すと…そうそう落ちることは無い。カルシウムみたいなもんだ。
ただ…即効性は無い。効果が出るまでに時間がかかることもあれば,間接的効果しかなく…効果が見えなくなっていることもある。
だから企業は,長期的に従業員と付き合っていこうという思想が無い限り教育に投資はしない。
IT業界では顕著。
・教育投資をしない
・ベンダ資格だけ投資する
・ベンダ資格,情報処理技術者試験も投資する
社員をどう見ているか?消耗品?「次,これ覚えてね。ダメなら仕事ないよ」って感じ?それとも「基礎が大事。基礎をしっかり身に着けておいてほしい。急がば回れだ」なのか?
終身雇用が崩壊したと言っても,それでも…連帯意識形成,一体感などは必要になる。そもそも社員を消耗品のように扱う企業に優秀な人材はとどまらない。しがみつかざるを得ない人しか残らない。
//俺は,最強のビジネス戦士を作り続ける!//
そういうわけで…俺はこれからも,
自分が担当する企業の業績を上げることを目的に,その手段として…最強のビジネス戦士に仕上げるように…
社会人教育を行っていきたい。
頑張っている人は報われないといけないから。