秋元康さんがプロデュースしている究極のアイドル「ラストアイドル」のメンバーが12月17日放送(テレビ朝日)で決定した。

 

「究極のアイドル?」,「あの秋元さんが?」ということで注目度は高い。

 

デビューは12月20日の「バンドワゴン」。ずっと番組中に流れていたので視聴者にはお馴染みの曲。他に4つのユニットも結成された。

 

http://www.tv-asahi.co.jp/last-idol/member/

 

で,みんな売れて欲しいんだけど…でも果たして”究極のアイドル”として…本当に爆売れするかどうか,その可能性を考えてみた。

 

 

//カスタマーエクスペリエンス//

 

まずはこの視点。消費者と感動を共有するストーリとしては,メンバを競わせている間に握手会を開催し,デビュー確定前から二人三脚でハラハラドキドキ感を共有するというスタンスを取っている点がAKBや乃木坂よりも新しい。

 

今後,彼女たちとそのファンは,どんな刺激を共有するのか興味深い。今、そこの刺激に動かされている人は、安定してきた時に離れないのかな?

 

 

//一枚岩になれるか?自ら引くことが出来るか?//

 

事務所が違うし,元々のアイドルグループに所属したままのかたちなので…箱推しが付くのかな?裏が隠せない今,一体感はどうやって形成するのだろう?あるいは,控えめに自ら一歩下がり周囲を立てることが出来るか?

 

そのあたりがこれからの課題だと思うので,どうやって一枚岩になるのかを見てみたい。

 

 

//アイドルファンのスマホにどれだけ入り込めるか?//

 

エンゲージメントを高めるための武器「スマホ」にどれだけ入り込めるか?

 

アイドルファンのうち,まずはイノベーターやアーリーアダプター(新しいものに目がいきやすい層)のスマホに,どれだけ食い込んで,エンゲージメントを高めるかがカギになる。乃木坂46のメンバのブログやモバメは超強力だからな。彼女たちの文章力や生き方,姿勢を超えるのは難しいから,他のアイドルファンがどうしているのかは知らないので,そっちのファンのうち流動的な層を取り込むのかな?どうするんだろう。興味深いので,ここも注視して学びたい。

 

 

//テレビでのプロモーションが通用するのか?//

 

今のところ…昔ながらの”テレビ”で売り出そうとしているけど,今後はどうしていくんだろう?

 

ネット上で「努力しながら待ち続けて見つけてもらう」というインバウンド型の戦略が全盛の今,プッシュ型ってまだ通用するのかな?やりすぎるとネット上で「ごり押し」って”すぐ言う”からな。それで1回炎上してメンバも変わってるし。

 

これまでの”カスタマーエクスペリエンス”は斬新だったので見てきたけど,これからはどうするんだろう?感動の共有という点では…なかなか新しい形を打ち出せないだろうし,仮にそこにドラマを産み出そうとすると,メンバが耐えられないと思う。ただでさえ…今までも”酷な戦い”だったのに。これ以上残酷なやり方を取ればファンも離れるし,何よりメンバが疲弊するんじゃないかな?

 

今後,どうやって売り出すのか興味深い。ここも学びたいポイント。

 

 

//事務所とマネージャの人間性は?//

 

今は何も隠せない時代。事務所のクリーンさやマネージャはじめ運営陣の人間性も。ファンはネットですぐに情報を共有するからな。

 

乃木坂46の場合,ファンが好き勝手に運営批判もしているけれど…それは全部甘噛みで甘えているだけ。実際には,乃木坂46のファンは,SMEとマネージャ陣のファンでもある。

 

乃木坂46を作り上げた今野さんに…ファンは感謝しているし,先日,マネージャさんたちと屋形船に乗って騒ぐというイベントがあったんだけど,皆,人として尊敬できる。

 

他にもいろいろ信頼できる情報が回ってくるけど,はっきり言えるのは,事務所とマネージャさんたちが今のようなものでなければ…とっくの昔に冷めていたと思うし,そもそも乃木坂46のメンバなら,とっくに辞めていたと思う。

 

もちろん全てのファンが…そこまで見ていなくて…運営に意識が向くのは少数のファンだけだろうけど…シェアや拡散がカギを握っているこの時代に,そこを見ているコアなファンこそ,積極的な推進者(アドボケイツ)になるわけだから,これが実は重要な視点になる。

 

よく…「乃木坂46には,それまでアイドルに興味の無かったファンが多い」と言われる(俺や俺の周囲はまさにそう)けど,その要因のひとつが事務所とマネージャを信頼し,そのファンでもあるからだと思う。

 

なので,事務所がバラバラで利害関係が一致しない中,運営側に…ビジネスのキナ臭い部分が見えてしまうと…アドボケイツは,それを拡散しながら去っていくことになる。

 

 

//今後,注目!//

 

そんな感じで前途多難だとは思うけど,秋元さんや電通のやることは,コトラーよりも速いので(AKB48結成は2005年で電通のAISASモデルと同じ年。コトラーの3.0は2010年),しっかりと勉強したいと思います。

 

どうやってファンを開拓するのか?

 

AKB48が12年経っても100万枚販売しているように,今のアイドルとファンの”友達関係”にどうやって割って入るのか?あるいは未開拓層にどうやって切り込むのか?そこを注視していきたい。

 

 

//余談//

 

最後にちょっと余談だけど,2ndユニットのシュークリームロケッツのセンター(松本ももな)は,数年前から有名で,アイドルとして普通に売れると思う。彼女がラストアイドルにいたら強かっただろうに。