多忙な社会人が一生勉強を続ける方法 その(3)
それは…“覚えて・忘れてを繰り返す回数”を…できる限り多くすること。
//鬼のように繰り返す//
記憶力がいい頃は、一度見たものがそのまま記憶されるけど…その能力は日々劣化していくわけで…それをカバーする手段は回数を増やすしかないと考えている。
いろんな未知の物事に触れた時,そのファーストコンタクトの時点では新鮮で…なんか凄く博学になったように思えるけど…その時点ではまだ...勉強した気になれただけで、自分のモノになったわけじゃない。知識に新鮮差を感じている時点で...まだまだ使えないことを表している。
十分に熟成させないと...
すなわち、自分の中に取り込んで血肉にしないと…“知ったか”のレベルぐらいにしかなれないもんな。
かっこ悪いぞ、“知ったか”は(笑)。
全然,次元が違うからな。
次に同じ本を読んだ時に…「知ってる!」とか「これ,前に読んだ」という程度の記憶の強さに過ぎない知識は。
そうじゃなく…
「目を閉じて1ページ目から再現できる」
「個々のキーワードの説明を体系的に1時間以上語れる」
というところまで持っていかないと意味が無い。そこまで持って行って始めて“使える知識”と言えるだろう。
ほら…俺が,乃木坂46の舞台,何度も繰り返し見ているだろ。あんな感じ。だいたい頭から再現できるからな(笑)。
一見、仕事で使うことは無いように思えるけど、その発想自体が実は自分の世界を小さくしているって僕は考えている。
どんなことでも頭の中に入れちゃえば、後は勝手に化学反応を起こしてくれるって考えている。
乃木坂のパフォーマンスもそう、実際俺も真似て使ってるし。結局...使うために覚えるんじゃなく、あるから使うわけで...応用ってそういうことだし。
で,勉強の優先順位を下の下に持ってこないといけない社会人にとって,鬼のように繰り返すために必要なこと,それが次の三つのこと。
一に“多品種少量生産”
二に“切り換えの速さ”
三に“20mダッシュ”
このあたりから…言葉にするのが難しいので,全部例え話になるけれど,ちょうどこんな感じかなと。
//多品種少量生産//
製造業の変遷で例えるとわかりやすいと思うので、その例えで言うと...少品種大量生産から脱却し,多品種少量生産を目指すことが重要だってこと。
「今日は法律を8時間勉強しよう!」…これはもう古い。
「法律5分,セキュリティ10分,マネジメント10分,財務会計5分,Java10分…」…覚えないといけないものの範囲も量も多くなった今,こうやっていかないと…期間が空きすぎることに。
1か月に1回8時間法律の勉強をするのと,1日5分を1か月続けるのとでは記憶への定着度合いが全然違う。
これに…勉強の科目を多様にするだけではなく,仕事や遊びも含めての“多品種”にする。こんな感じで。
「法律5分,ライブ2時間,(アンコール中に)セキュリティ5分,アンコール,(会場退出時に)マネジメント10分,(帰りの電車の中で)財務会計5分…」
//気持ちの切り換えの速さ//
で,多品種少量生産の成功のカギを握っているのが,切り換えの速さになる。切り換えを速めていかないと,そこがボトルネックになってしまう。
そこも製造業と同じだ。
ただ…製造業の場合は,品種を変える場合…洗浄,清掃,データ入替え,機械の調整,ツール交換,利用部品の準備等…物理的に時間が必要なんだけど…
勉強の場合は,そういう物理的な時間は必要ない。気持ち一つでいい。「それはそれ,これはこれ。」という感じで,スパッ,スパッと自分の脳内の世界を切り換えていく。
ライブ会場から,図書館へ,そして仕事場へ,またライブ会場へ。テレポーテーションするイメージ。脳内だけだけど。
そして…絶対に引きずらないこと。というか引きずっている暇はない。
//20mダッシュ//
後は,細かくスイッチしていく個々のテーマに対して,ダラダラしないこと。
5分なら5分の中で,集中力をピークに持っていく必要がある。
これも言葉にするのは難しいので,イメージで例えると…「長距離走でも,短距離走でもなく…超短距離走,すなわち20mダッシュ」のイメージ。
20mダッシュして,2-3歩緩めて,また20mダッシュという感じ。
で,この緩めるところに…趣味やプライベート,家族との会話なんかを持ってくると,どっちに対しても良い効果が得られる。
インターバルは別の勉強でも良い。…法律の勉強して,インターバルにセキュリティの勉強をするって感じだ。対象を変えることが重要。インターバルだと錯覚するから。
//この勉強方法だと…//
とにかく…時間は有限なので,後は密度を濃くする…すなわち,単位時間内に複数のことを詰め込むしかない。
でも…このやり方でやれば…少なくとも時間が足りなくなるってことは無くなるし,何かを犠牲にすることも無くなる。
少なくとも,独立して…半年前と同じことしかできなければ需要が無くなる厳しい世界の中で,この歳になっても,情報の鮮度を保ちながら…乃木坂,乃木坂って遊び呆けていられるのも,このやり方のおかげだと思う。
(おわり)