前回,多忙な社会人が一生勉強を続けるには…

 

(1)その知識の必要性を自分に言い聞かせる

(2)知りたくて,知りたくて仕方なくなる

(3)その対象を見る=暗記する,理解する,納得するなど

 

このような順番で勉強することをおススメしました。

 

いわゆる“勉強”は(3)で…その前に,知識を吸収しやすいように知的好奇心を煽っておく(1)(2)が重要だという話と共に。

 

今回は,そのつづき…どうやって“知識を吸収しやすいように知的好奇心を煽っておく”のかを…その具体的な方法についておススメしていきたいと思います。

 

 

//覚えないといけないキーワードを丸暗記//

 

まずは,覚えないといけないキーワードを集めてきて,それについてワンコメントで丸暗記していきます。

 

例えば…CSIRT(シーサート)という用語だったら,単に「セキュリティの用語。インシデントレスポンスチーム」だという程度で構いません。キーワードはたくさんありますよね。法律の名称,攻撃の名称,ハードウェア,ソフトウェアなど,時に製品名なども…キーワードは腐るほどあります。

 

で,その数多くある単語を,個々にワンコメントで丸暗記していくのです。

 

ほら,僕の著書には“暗記チェックシート”が付いていますよね。そして丸暗記を推奨している。それは,そこからスタートするのが,ひいては知的好奇心を煽ることになるからという理由からなのです。

 

 

//それを誰かに教えているところを想像する//

 

次に,それらのキーワードのうち…気になるものから順に(=欲しているモノから順に)ひとつピックアップして…そのキーワードについて後輩に聞かれたり,お客さんに説明を求められたりしている状況を想像します。

 

そして,ここから…イメージトレーニングの開始です。

 

その想像している相手がどんなことを知りたいのか?を考え,質問内容をピックアップしていきます。「きっと…こういうことを知りたいのだろうな。」という感じで。

 

でも,当然ですが…その答えまでには至りません(知りません)。

 

それゆえ…「そのキーワードについて説明しないといけないけれど,無知がゆえに説明できない,そんな自分」が産まれることになります。

 

これが,ざっくりいうと…知的好奇心を煽るってことになります。

 

 

 

//絶大なる副次的効果//

 

実は,この勉強方法を長期間継続していると…記憶しやすくなるのは当然ですが,他に,提案やプレゼンが上手になったり,情報処理技術者試験の論文が上手くなったりという副次的効果も得られます。

 

相手の知りたいことを考える練習になっていますからね。

 

「まずはこれを説明しよう。そうしたら,ここまで理解できるわけだから,次にこれが知りたくなるはず。なので次に説明するのはこれだな。」みたいな感じで。

 

とにかく。

 

実務でも,試験対策でも…いいこと尽くめの勉強方法だと…僕は思っています。

 

なんせ…想像力に長けていることは大きな強みですし,イメージトレーニングができるようになれば,時間と場所に縛られず,かつ短時間でも有効利用できますからね…最強の勉強方法ですよね。

 

 

//必要事項を能動的に取りに行く//

 

そして,そのキーワードについて知りたいことが決まったら…後は,その回答を取りに行って覚えればいいだけです。

 

その回答を見つけたら,(欲していたわけだから)すーっと,脳内に知識が染み渡るような感覚を覚えるでしょう。もちろん短時間で強く記憶することができます。

 

結局,試験対策でもそうなのですが…参考書に書かれていることだけを,しかも受動的に受け取って覚えるだけというやり方をするから,時間をかけた割に成果が出ないんですよね。その書籍に依存していることになるから,決してそこを超えられないのです。

 

そうじゃない。

 

やっぱり,知識というものは,主体的かつ能動的に獲りに行かないといけませんよね。

 

ちなみに…情報処理技術者試験の午後Ⅰや午後Ⅱの長文問題(記述式や事例解析)も同じです。読まされるから時間が無くなる。そこに書いてあるだろう必要情報を事前に決めておき,それを獲りに行く読み方をすれば短時間で状況把握ができるのに。

 

 

というわけで…自分の学習効率は良くないと思う人は,このように…勉強する時に,ひと手間かけてみてください。画期的に学習効率が上がると思いますよ。

 

その証明と言うわけではないのですが…僕の保有資格について会社のWebサイトにまとめています。

https://www.msnet.club/blank-h7ur0

 

いずれも…昔からこの方法でやってきた成果だと言えると思います。結構,仕事もしているし…結構,乃木ヲタ活しているのに(笑),そこそこの数あるでしょ。

 

効果的だと思うんだけどね。

 

 

後は…そうですね…“一生続ける”ための配慮も重要ですよね。そっちの方もまとめておきましょう。

 

//計画は立てない//

 

学生じゃないですからね(笑)。

 

そもそも優先順位が低いものに計画を立ててもリスケの嵐になるだけで…その時間がむちゃくちゃ無駄です。計画通りに行かず遅れ気味になって…その積み残しの多さで“やーめた”ってなることもありますし。

 

まぁ…計画を立てるにしても…頭の中で漠然と,スコープを意識する程度でいいと思います。

 

 

//気分の乗らない時にはしない//

 

心ここに無い時,やる気の無い時,何かを我慢している時,そういう時はしないことをおススメします。仕事では,こんなこと決して言えません。でも逆に,他人に迷惑をかけない“勉強”ですから…たっぷり自分を甘やかしてあげましょう。

 

 

//学習時間をカウントしない//

 

そこ(学習時間)に価値を見い出すようになったら終わりですね。自己満足には良いでしょうが,「実際には勉強しているのに,感覚的に勉強していない」って思える方が長続きします。

 

 

//集中しない//

 

勉強だけしかしていない時間を極力減らす方向で勉強方法を組み立てるべきですよね。

 

机の前に座って「さぁ勉強しよう!」というのは一番ダメ。勉強が本分の学生で,なおかつ短期間の集中ならばいいけれど…多忙で時間の無い社会人だと…何かをしながら勉強した方が良い。

 

例えば自宅でも…家族と一緒にリビングで勉強するのがベスト。子供が宿題やるのに合わせられればなお良いでしょう。

 

 

最後になりますが…優先順位を間違えずに,長く続けることを前提に考えていきましょう!

 

(おわり)