今回,8月に3冊の書籍を刊行しましたが…その“宣伝”と,著者としてこだわったことについて,いくつか伝えておきたいなと思って。

最強の読者としての…参考書選びのポイントとしても意識していただければ幸いです。

 

その第一弾は…

 

過去問題は,必ずモノホンをスキャンして掲載!打ち直し(入力)しない!

 

このこだわりは…

 

僕自身が参考書を買う時に,可能な限り…過去問題をそのままスキャンしているものを使うようにしているからです。本試験の過去問題を,書籍にする段階でテキストを起こしている(入力している)参考書は,できることなら避けるようにしています。

 

その理由はいくつかあるのですが…

 

そもそも出版社側は,試験センターから入手する紙の本試験問題を,それと同じような感じに再入力していることが多いんですよね。その最大の理由は“見栄え”。スキャンしたものは,どうしても印刷・製本する場合には”ぼやっ”としてしまいます。明らかに,他のページと温度差ができます。フォントの統一も崩れるし,大きさも本文と異なります。

 

しかし,再入力は確かに見た目きれいなのですが,次のようなデメリットもあるんです。

 

(1)誤植,誤字・脱字。解答そのものが間違っているものもあった

(2)本試験の時と,タッチやひどいものだと1行の文字数も異なる。午後Ⅰ試験などはページごとに飛ばし読みをすることが多いのに,その練習ができない

(3)視覚的暗記が弱い

 

(1)は時間をかけて入念にチェックすれば避けることができます。しかし(2)や(3)はどうしようもありません。

 

その参考書を例えば50時間~100時間,時にはそれ以上の時間見ているのに,(3)ができない,(2)の練習にならないというのはもったいないと思いませんか?

 

もちろん,これだけで10点も20点も変わってくることはありません。しかし,1-5点ぐらいはちょっとした記憶違いやケアレスミスとして違ってくる可能性は十分あります。しかも,情報処理技術者試験は,55点~59点で不合格になる人がかなり多いという特性があります。そう考えたら,できる努力はした方が良いですよね。

 

本当にちょっとしたこういう工夫が合否を分けることもあるんですよね。当然ですが,インプットしたことが,そのままアウトプットできるほうが容易ですからね。

 

で,そこにこだわって…2013年版の頃から,すべてそうしていただいてます。

 

今回も,午後Ⅰ問題,午後Ⅱ問題は当然のこと,午前問題もすべてそうしてもらっています。特に,午前問題はそのままの形で出題されるので,目に焼き付ける作戦(試験後にしっかり理解する前提)としても効果的なんですね。

 

 

これはデータベーススペシャリストに掲載しているSQLの全問題53問を掲載しているのですが,もちろん過去問題は「スキャン」したものです。

 

もちろんただスキャンしただけのものを用意していても効果が薄いので,このまま目に焼き付けられるように…こういう感じで視覚に訴求しています。記憶に残すことで,疑問が湧きやすくなり,そのうち調べたくなってきて…自分で調べるようになりますからね。

 

そういう狙いもあるんです。

 

そういうわけで…秋試験は僕はテキストを出していませんが,使用している参考書の過去問題。それが,スキャンしたものであれば教科書に書き込む形で,そうでなければ,試験センターからダウンロードしたものをプリントアウトして,そこに書き込む形で残していくことをお勧めします。

 

ただ,こういう配慮は普通…著者として普通のこと。そういう配慮もできなかったり,出版社を説得できなかったりする場合,他にもそういうことがあるんじゃないかと疑心暗鬼になってしまうので…。一事が万事じゃないですが…。

 

(つづく)