昼からは,選択科目Ⅱ(12:30~14:30)。

 

 
今回受験した「情報工学部門」は,下記の選択科目に分かれていて,ここから問題が違ってくる。
 
16-1 コンピュータ工学
16-2 ソフトウェア工学
16-3 情報システム・データ工学
16-4 情報ネットワーク
 
2次試験申し込み時に選択したものを,そのまま選択しないといけない。
 
自分は「16-2 ソフトウェア工学」を選択。情報処理技術者試験(以下,情処試験とする)のプロジェクトマネージャとシステムアーキテクトと同領域なので,そのあたりの準備ができている人は,既存の知識がそのまま使える。
 
問題はⅡ-1(4問),Ⅱ-2(2問)に分かれていて,それぞれそこから2問と1問選択して解答する。合計3問について記述する。その分量は,Ⅱ-1の2問がそれぞれ600字以内,Ⅱ-2の1問が1,200字以内,合計1,800字を2時間で書きあげる。情処試験の論文が,同じ2時間で最低2,200字以上…できれば2,800字ぐらいは欲しいところなので、そこで仕上がっている人は時間的には余裕がある。
 
ただ…問題を見ていただくとわかると思うけど,若干,情処試験とはコンセプトが違うので,その違いに対して準備するかどうかを考えた方がいい。以下,技術士2次試験の選択科目Ⅱと,情処試験の論文試験との違いをまとめてみた。
 
 
【選択科目Ⅱの特徴】

 

まず,受験票の“問題の種類”の欄に書いているように,“知識”が問われる問題。そこが情処試験の論文と全く違う。情処は“経験”だ。
 
 
問題そのものも短いため自由度が高い。情処試験の論文のように細かく質問してくれていない。従って、問われている視点で書くようにするところは同じだけど,後は,そのテーマに対しての派生キーワードを中心に普通に説明すればいい。
 
イメージは,教科書に掲載する原稿を書いているって感じ。
 
第三者に説明するために5W1Hの要素のうち,不要なものをカットする点は論文試験と同じ。違うところは,論文試験は“経験”で,こっちは“知識”だという点。経験だと“丁寧な説明”をしないと100%通じないけど(書いた本人しかわからないから当たり前),知識の場合は,そういうものじゃない。採点者との間に,最低限共通の認識があるわけだから,その派生キーワードをとりあえず思いつく限り放り込んでおくってイメージでいい。そのレベルは600字で,例えばインスペクションや基幹システムのデータ移行を説明させるものだから,派生キーワードと言っても,あれもこれもいれられない。情処試験の高度系テキストに出てくるレベルで十分。なので,そんなに難しく考えるほどでもない。その派生キーワードを一言二言で説明して,後は関連性を書いておけば問題は無い。
 
後,噂によると…この試験は加点方式らしい。情処試験の論文は減点しないことを意識する(方式かどうかはわからないので)点が重要なので,そこが異なる。
 
また,図表を多用した方がいいという噂も耳にしたが,前回受験した時は当然そんなこと知らないから一切入れていない。でも特に評価は悪くなかった(筆記は,経営工学も総監も両方ダブルクリアしている)。“必要に応じて”で問題は無い。
 
 
【選択科目Ⅱの対策】

 

他の技術士の部門(機械や建設)に比べ,ITエンジニアにとってそんなに必要性を感じないし,話題性も無いので…情処試験を中心に考えて,プロマネやネットワーク,DBなどの高度系資格を取り終えた後に受験すればいいと思う。たぶん皆そうしているはず。
 
で,ノープランで受験しても,十分情処試験対策で培った“知識”と“国語力”でクリアできる。これは,後述する選択科目Ⅲでも同じだ。だから,とりあえず受験をし続ければ,特に準備しなくても何回目かで合格すると思う。ただ,受験料が14,000円。この金額を見ても,どういう答案を書けばいいのか想像できる(笑)。知識面に関してはキーワードが重要。国語部分は情処の論文でA評価取れるレベルがあれば,それで十分。
 
ただ,知識の有無が問われるこの選択問題Ⅱでは,知らない単語の説明を求められたらジエンド。
 
今回は,インスペクション,移行,見積技法が出たから普通にかけたけど,過去に出題されたケースだと…“ReBOK”や“モデル検査技術”に関する問題が出ていた時もある。そこには正解(言葉の正確な定義)があるので,それを知らないと書けない。
 
したがって,今回絶対に合格したい!というのであれば(受験料も高いし),そういう過去問題で出題されているワードに関して,しっかりと準備しておく必要があるだろう。情処ではあまり見かけないワードで技術士の情報工学部門だけでしか見かけないリファレンス(規格等含む)の数はそんなに多くない。毎回同じようなことが問われているし。だから知識の補充と考えればいいかもしれない。
 
最後に…これも聞いた話なんだけど,この筆記試験をクリアすると口述試験になるんだけど…そこで,今回の筆記試験の内容について聞かれるらしい。特に,点数が悪い部分は,その後しっかりと確認しているかどうかもチェックされるという話も。だからどんな解答を書いたのか?選択科目Ⅱ,選択科目Ⅲについては自宅に帰って再現しておいた方がいいらしい。加えて,より深い知識を獲得しておいた方がいいとのこと。ただ…前の時は,そんなこと一切なかったし,そもそもそんなこと知らなかったら,どんな答案書いたかも覚えてなかった。受験申込も適当に書いたけど,それでも普通に合格したから,世間で言われているほど難しく考える必要はないと思う。
 
これは実際,受験してみての実感なんだけど…情処試験の高度系を複数持ってる人は,そんなに難しく考えなくていいと思う。なんか対策講座等では難しさを煽りすぎのようなイメージ。確かに,情処試験の高度系を持っていないとそこそこしんどいと思うけど,そういう人に対するメッセージなので,僕の周囲の高度系たくさん持ってる人は,とりあえず受験料の14,000円がもったいなくないのなら,そんなに時間かけて準備しなくても受験したら合格すると思うんだけど…。MENSAと同じ感じかな?
 
像の鎖には注意ね!
 
ちなみに…前回受験時にも時間は半分ぐらいで出来た。今回も90分で完成。30分余った。でも,途中退出が前回は出来ていたはずなのに…今回,出来ないとのこと。話を聞いたら今年からのようだ。終わってからトイレには行けるので,その時に残り時間を聞いたんだけど…不正防止だと仕方が無いか。疲れている時には,途中退出できないのはきつい。
 
 
それと…これは,情処の論文試験の方でも必須だと思うんだけど,受験日にはベストを尽くそう!容易にできる努力はする!
 
ひとつは栄養。糖分,アミノ酸など飲み物,食べ物に注意して,脳が活性化するように。まぁ気分的なものなんだけど(笑)。
 
それともうひとつ。僕たちの武器=シャープペンシル!
 
 
グリップがよく疲れないものを選択。多少,値が張っても…壊れない頑丈なもの。加えて,その芯はもっと重要。百均の芯なんか絶対ダメ。すぐ折れる。芯は,ダイヤモンド入のもの。僕はいろいろ試した上で一番折れにくい三菱鉛筆製のナノダイヤ(写真左)を使っている。
 
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定期的にいろんな芯を買ってきて,負荷かけてテストしているんだけど,その中で今のところ一番強かったもの。今回の試験でも,一度も芯は折れなかったので,意識がそこに向くことも中断することもなかった。
 
家の中でひとり,シャーペンの芯を前に比較検討した成果。むちゃくちゃ地味(笑)。

 

(つづく)