これまで毎日作ってきたアイツの弁当。
戦うのはアイツ。
アタシに出来ることなんて、限られている。
それでも、アタシに出来る何かにたどり着きたくて、もがくのが、きっと親という生き物なのか。
アイツのピーンと張った弦を緩めるのも、
多分アタシに出来る数少ない何か。
一方で、
緩んだ弦を張ることも、アタシに出来る何かなのだろう。
毎日が手探りだった。
よく喋るアイツが黙る時。
アタシはアイツの鏡となり黙ってみる。
『静かだと気持ちが悪いです。どうしたんですか？』
アイツの言葉にハッとする。
ほどなくして、アイツの沈黙には、様々な種類があることに気がつく。
そっとしておいて欲しい沈黙。
考えたい沈黙。
緊張の沈黙。
不安の沈黙。
沈黙の種類が増えれば増えるほど、
アタシは、アイツの表情から発信する何かを逃すまいと必死になる。
瞬間的に見せる視線の奥から垣間見る
アイツのテンションとモチベーションを手繰り寄せて、気が付いたことがある。
大切なのは、
アイツはアイツらしく。
アタシはアタシらしく。
こんな基本的なことを、自分に言い聞かせるなんて思ってもなかった。
受験は、良くも悪くも心に変化をもたらす。
平常心のつもりが、実はそうではなかったらしい。
日常が日常でなくなっていた。
そんな時、ふと思う。
もしかしたら、アタシ達が普段通り、
自然体でいられるのを支えてくれたのは、尊重弁当というルーティンだったのかもしれない。
合宿先の妹ゆーたんから届く写真。
弁当を食すアイツの表情は明るかった。
弁当タイムがつかの間の休息時間。
アイツはすぐさま勉強部屋へ閉じこもる。
恐れ多くも、
御守り、お手紙を、日々頂戴している。
メールもたくさん頂く。
皆様、本当にありがとうございます。
コイナさん。
届きました。日本一の御守りが。（笑）！
『日本一の眉毛を目指せ！』という愛のメッセージ付き。
こうなったら、
日本一の！いや、世界一の眉毛を目指そうと思います(￣▽+￣*)
アイツの受験を通して、
アタシ達が学んだこと。
人の1番の力になるのは、やはり人の力だということ。
言葉だったり、気持ちだったり。関わり方だったり、向き合い方だったり。
アタシも、人に元気や温もりを届けられる人になりたいなぁって思った次第。
よし。先ずは、我が子にパワーを届けよう。
皆様。いつもありがとうございます。
寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛下さい。
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