ずっと前から計画していた家族旅。
しかし、
カンちゃんもタイ兄も
譲れない戦いに挑まねばならなくなった。
成長とともに、子供達も忙しくなる現実。
村長にも出張が入った。
また今度にしようとキャンセルになった。
この旅は、
次女みーたんが楽しみにしていた場所だった。
アイツはガッカリしているように見えた。
そしてアタシは気になっていた。
この旅行は、
あまり感情を表に出さないアイツがワクワクしてたから。
『またいつか』を信じて、アタシは仕切り直すつもりだった。
そう。今朝までは。
午前6時。
長女カンちゃんの新人戦を見送り、副理事長(村長母上様)が言った。
『帰京、変更するから(←今朝帰京予定)、子供達は大丈夫だから、みーたんと行ってらっしゃい!』
目下、週末の休みはすべて埋め尽くされていたアタシにとって、
この言葉は、大きな決め手となった。
『ミーたんと二人で、行ってきてもいい?』
こんな大それたことを村長にお願い出来たのも、
きっと副理事長が背中を押してくれたからに違いなかった。
村長は『気をつけてな。どうせ行くなら存分に楽しんでくるんだぞ。』
子供達も『行ってらっしゃい!』
と快く見送ってくれた。
だってばーたんいるから、寂しくないもーん!
と言わんばかりの表情だった。
『よし!ミーたん!起きて!行くよー!』
アイツは驚いた表情で、飛び起きた。
少年団なども含め、
母ちゃんの役割をすべて村長と副理事長に託し、
アイツとアタシは出発した。
行ってきまーーーーす!
アイツは満面の笑みだった。
兄弟が多めだからこそ、
我が子との二人時間はアタシにとって、
とてつもなく貴重だった。
『母上と二人、楽しみ!』
みんなで分かち合う楽しさを知っているからこそ、アイツからの何気ない言葉が嬉しかった。
初めての二人旅。
アタシにとって行き先はどこでもよかった。
よし!とことん!
アイツの行きたい場所にどこまでも!
これが実現出来るのも
村長、副理事長、子供達のおかげさま。
ありがとうございます。
この奇跡的な時間を
大事に過ごさせて頂きます。
では。
行って参ります。
(。-人-。)