ある人に聞かれた。


「安代さんって、ものすごく挨拶を大切にしているような気がするんですけど、
何か理由があるんですか?」


・・・え?


アタシは、答えに困ってしまった。

自分では普通だと思っていることに、
改めて質問されると、なんと答えればいいのか、分からなくなる。
これは、アタシに限ることでもないだろう。


「安代さんって、子供を見送る時、出迎える時のやりとりを見ていると、
とりわけ大事にしている気がします。なんでだろうな・・・と思って。」



・・・理由なんてあるのだろうか?

人と出会い、ともに時を過ごし、そして別れを告げる。
ともに過ごした家族を見送り、そして出迎える。


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見えなくなるまで見送り、そしてありったけの気持ちで出迎える。
そうすることに、理由なんてあるのだろうか。



アタシはその質問に対して、戸惑うと同時に、
自分のことなのに、すぐに答えられなかった自分が悔しかった。


この場所は、自分が一番自分らしくいられる場所だからこそ、
この場所で、ありのままの自分と会話をしようと思う。


出会い7秒。去り際7秒。
いつでもどこでも誰と会う時でも、この瞬間を大切にしたいって思う。

出会えた奇跡を喜び、そして感謝する。
共に過ごせた幸せを噛み締め、再会への希望をつなぐ。


挨拶という言葉には、人の心を開き、迫るという意味があるという。

人と人とのつながりって、
まずは自分が相手に、思いを届けることから始まると思う。
挨拶はきっかけにすぎないけれど、そのきっかけこそ、全ての始まり。
自然と力が入ってしまうのも然りだと思う。


我が子への
「行ってきます」と「いってらっしゃい」
「ただいま」と「おかえりなさい」を、特に大切にしていると思われたのなら、
確かに、そうかもしれない。


それはなぜか。

自分の中の自分に聞いてみる。


アタシは、いつも「次があるとは限らない」という気持ちで我が子を見送る。

だから、必ず笑顔でと決めている。
怒った顔の母さんでなく、笑顔の母さんを覚えてて。という気持ちで。


後悔はしたくないのだ。


大げさかもしれないけれど、
我が子を見送ることと、迎えることは、命の受け取りだと思っている。

「いってきます」と言って出かけた我が子が、
「ただいま」と言って帰ってくる保証なんてどこにもない。


「いってらっしゃい」といって見送った母が
「おかえりなさい」と迎えられる保証もどこにもない。


無事に命を持ち帰ってきたことへの、感謝の儀式。


「いってらっしゃい」の中には、祈り、願い、励ましなどいろんな思いが
「おかえりなさい」の中には、喜び、労い、喜び、表しきれない思いが溢れている気がする。

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アタシにとって、「いってらっしゃい」と「おかえりなさい」は
「大好きだよ」「きょうもありがとう」「会えて嬉しい」のメッセージ。

日常の積み重ねが、きっと大きな糧となる。


自分を待っていてくれる人がいる、という確信は、
きっと人を強くする。

自分は一人じゃないんだと思えた時、人は、もう一歩を踏み出せる。

アタシは、命の続く限り、
我が子には、この魂を込めて、言葉を送り続けたい。


挨拶に限ったことではないけれど、
挨拶はわかりやすい。

毎日交わす言葉だからこそ、我が子のほんの少しの違いに気づくことができるのだ。
最初の証人であり、最後まで番人でありたい。


アタシが仕事に出かける時、
長女カンちゃんはどんな時でも必ず手を止めて、ベランダから顔を出し、
見えなくなるまで見送ってくれる。


「お見送り、ありがとうーー!いってきます!」
路上から見上げて挨拶をするアタシに、
アイツは言った。


「どう?ママ!どんな気持ちする?嬉しいでしょ?!
いつもママは、こうやって見えなくなるまで見送ってくれるんだよー。
いつもありがとうございます!」

アイツはベランダ越しに、ニヤリと笑った。

14年間の紡ぎ続けてきたアタシの想い。
ちゃんと我が子は受け止めてくれていたんだ、と嬉しくなったあの日の気持ちを
アタシは忘れられずにいる。


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拝啓。ユーキング様。

これが、アタシの挨拶を大切にしている理由です。
アタシにとって、挨拶は「愛拶」
愛情のやりとりなんです。
愛のやりとりを粗末になんて出来やしないです(笑)


だから今日も、明日も明後日も、
ありったけの「ありがとう」と「大好きだよ」を添えて
「いってらっしゃい」と「おかえりなさい」を言い続けるんだと思います。


これが私が挨拶を大切にする理由。
答えになっているかどうか、不安だけど、
これが今の自分に答えられる全てかなぁ。

自分のことなのに、すぐに即答できず、悔しかったけれど、
立ち止まるきっかけを与えて頂きました。ありがとうございます。
もっともっと我が子との時間を大切にしようって改めて思いました!

きょうも全力の笑顔で、お見送りとお迎えしたいと思います!


またお会いできる日を楽しみにしています。




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