ヨルダンについて考えた夜。

子育てとは親育て。
そう言われて久しい。

親のアタシ達は、アイツにまたも課題を与えられた。

週末の夜。村長主導で国旗クイズを楽しんだ。

「これはどこだ？」

「イスラエルっ！」

「正解っ！」



「え？イスラエルってどこ？」

「よし！地図で確認してみよう！」

「あ、あった！ここだ！」


そう言って地図にかじりつくアイツ達。




そしてアイツは今一番気になる場所を確認した。

「ねえ！
この前、日本代表がサッカーで戦ったヨルダンってどこ？」


サッカー少年のアイツは、サッカーの観戦を通して、
少しだけ世界につながる扉を開ける。


「サウジアラビアの近くだ！探してごらん！」


「えーーっと・・・あった！！！ここだっ！！！」



サウジアラビアの上に位置する「ヨルダン」を見つけたアイツ。

とても満足そうだった。

日本から遠く離れた中東へ、思いを馳せていたに違いない。




国旗クイズを終え、それぞれ床につく、はずだった。

ヤッスバーンは寝床を整えるべく、先に寝室に向かった。
いつもなら村長が、歯磨きや着替えなど寝る準備を促し、
戦隊らとともに寝室にやってくる。



しかし、この日は違った。

寝室に入ってきたのは村長だけだった。

「あら？子供達は？」

「まだ地図見てる。なぁ、安代なら、どう答える？」

「え？何が？」

村長は、アイツからの質問にうまく答えられなかったらしい。

神妙な面持ちだった。

「どうしたの？なんかあった？」

「セーマンに質問されたんだよ。
だけど、俺はなんて答えていいか分からなかった。」

「え？なんて聞かれたの？」

「《パパ！ここがヨルダンなら、アサダンはどこ？》と聞かれたぜ。」




っは━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━!!!?⁇


「なんて答えていいか、分からなかった・・・・」←悔やむ村長。

大丈夫よ、村長。ヤッスだってわからなくって脳内バーンよ。

どうやら、アイツは、ヨルダン→「夜だん」だと思っているらしい。

・・・夜だん。
・・・それは、国か？

・・・・アイツ
・・・・大丈夫か？




:*:・(￣∀￣)・:*:

いや、違うわ！
子供のどんな質問にも、納得いくように答えることができてこそ、
真の親に違いないわっ！！！！


村長。アタシたち。まだまだね。

まだまだ修行が足りないわっ！

仮に「朝ダンはどこ？」という質問に答えられても、
次は「じゃあ、昼ダンは？」と聞かれるにちがいない。


嗚呼。子育ては親育て。
子供の疑問には心を込めて応えたい。それが親という生き物。
終わりなき戦いに、乾杯。

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